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送迎の仕事は、車に乗る前から始まっている(第258回・議事録編/第3回)

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送迎時間と聞くと、車が走っている時間を思い浮かべるかもしれません。でも、現場の仕事はそれだけではありません。玄関に迎えに行っても、すぐに出発できるとは限らない。その具体的な様子を伝えたのが、日本慢性期医療協会の田中志子委員でした。

田中委員は、前回改定後に地域で共同送迎を始め、車両や人員の活用には一定の改善があったと説明しています。その一方で、実施して初めて見えてきた課題も紹介しました。外出準備ができていない、出かけることをためらっている、出発前に失禁があり排せつケアが必要になる、といった場面です。

さらに、利用者を起こして外出を促すことや、飼い猫が外に出ないように注意しながら施錠することなど、家庭ごとの個別対応にも触れています。送迎担当者は、道順や運転だけを分かっていればよいわけではなく、その人の暮らしを理解して動いているのですね。

送り出しを訪問介護に頼む方法もありますが、必要な時間帯が重なれば、すべてのニーズに対応できるとは限りません。田中委員は、こうした自宅内のケアにかかる時間も把握し、評価するよう制度を見直してほしいと求めました。共同送迎に否定的というより、共同化を実際に進めたからこそ、見過ごせない仕事が明らかになった発言と読めます。

連合の平山春樹委員も、送迎を、乗り降りの介助、認知症への対応、安全確認、家族対応を伴う重要な業務として捉えていました。そして、送迎のための人材確保を評価し、現場がケアや機能訓練に専念できるようにする必要性を述べています。

二つの発言を合わせると、送迎には、移動を支える仕事と、利用者が安全に外出できる状態を整える仕事があることが分かります。車両や運行経路だけを見直しても、後者の仕事はなくなりません。

私がこの議論から読み取るのは、効率化を考えるときほど、実際に誰が何をしているのかを丁寧に見る必要がある、ということです。自宅内での対応が新たに報酬評価されると決まったわけではありません。ただ、これまで見えにくかった仕事を、改定の議論の対象として示した発言だったといえるでしょう。

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第258回・議事録編 第3回 送迎の仕事は、車に乗る前から始まっている 図解マンガ

文責・監修:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月22日

対象:2026年6月15日開催・第258回社会保障審議会介護給付費分科会の公開資料・議事録

本稿は第258回当日の発言の要約、背景説明、筆者の読み取りを含みます。会議で述べられた意見・提案は決定事項ではありません。後続会議の結論を反映した現行制度の案内ではないため、最新の厚生労働省資料・告示・通知等は読者ご自身でもご確認ください。

参照:議事録21、27ページ。背景資料:資料1。

出典・参照箇所

厚生労働省 第258回社会保障審議会介護給付費分科会 議事録(PDF)

同分科会 配付資料一覧(資料1〜5)

委員名簿(2026年6月15日現在)