―専門性と現場負担をどう評価するか―
入浴介助加算の話を読むときは、まず、事業所で入浴を介助することと、自宅での入浴を続けられるよう支援することを分けて考えると理解しやすくなります。今回の議論では、特に入浴介助加算(Ⅱ)の算定を妨げている事情が取り上げられました。
連合の平山春樹委員は、入浴介助加算(Ⅱ)の算定率が低いことについて、医師等との連携や訪問評価の時間確保が難しいという資料の結果を挙げました。そのうえで、自宅訪問、浴室の評価、計画作成などの負担に対し、加算(Ⅰ)との報酬差が見合っているかを検証する必要があると述べています。
ここでの問いは、単に書類を減らせばよいということではありません。必要な評価を行う人を確保し、時間を調整し、計画に反映するまでの仕事が、報酬によって支えられているのかという問題です。
日本介護福祉士会の今村文典参考人は、入浴介助加算(Ⅰ)に関連して、継続的な学びの機会を確保する意義を説明しました。人材不足の中で研修時間をつくる難しさはあるものの、質の高い介護や職員のやりがいにつながるため、こうした評価を大切にしてほしいという意見です。
さらに今村参考人は、加算(Ⅱ)などについて、専門職の確保や業務負荷に見合った報酬が必要だと述べています。研修や専門性を守ることと、現場が実行できる条件を整えることの両方を求めているのですね。
日本医師会の江澤和彦委員は、通所サービスは在宅の課題を把握して機能訓練やリハビリテーションを行うものであり、自宅を訪問して評価することが重要だと説明しました。そして、その訪問による評価を報酬上もしっかり評価することを検討課題に挙げています。
三者の発言を通して見えるのは、算定率が低いから支援の必要性も低い、とはいえないということです。必要性は認められていても、人材、時間、連携、報酬のバランスが取れず、実施や算定につながらない場合があります。
今回の会議で要件緩和や単位数の変更が決まったわけではありません。何を省けるかだけでなく、何を大切な専門業務として支えるか。その両面から見直す必要性が示されました。
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文責・監修:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月22日
対象:2026年6月15日開催・第258回社会保障審議会介護給付費分科会の公開資料・議事録
本稿は第258回当日の発言の要約、背景説明、筆者の読み取りを含みます。会議で述べられた意見・提案は決定事項ではありません。後続会議の結論を反映した現行制度の案内ではないため、最新の厚生労働省資料・告示・通知等は読者ご自身でもご確認ください。
参照:議事録21、26、28ページ。背景資料:資料1。

