こんにちは。村上佳子です。
「食事は用意しているけれど、以前より残すようになった」「食べやすいものばかりになっている」。在宅の支援では、このような変化に出会うことがあります。
今回の居宅療養管理指導の資料では、管理栄養士による支援を、必要な人に届けるための見直しが取り上げられています。中心は、指導時間と栄養スクリーニングです。
栄養支援の内容と、現在の時間要件
現行の管理栄養士による居宅療養管理指導は、医師の指示に基づき、栄養管理に関する情報提供、指導または助言を30分以上行うことが要件です。
資料に掲載された調査では、食事の形態、栄養補助食品の紹介・利用方法、栄養素の摂取量など、多様な内容が扱われています。栄養支援は、食事量を増やすよう伝えることだけではありません。何を、どのような形で、どう食べるかまで関わります。
一方、資料は、訪問指導を行っていても30分に満たず、居宅療養管理指導を算定していないケースがあることを示しています。管理栄養士による算定件数自体が極めて少ないことも、背景として挙げられています。
対応案は、30分未満の栄養管理に関する情報提供・指導・助言について、新たに評価するというものです。
これは、すべての指導を短くするという話ではありません。必要な支援を行った結果、その時間が30分未満だった場合を、どう評価するかという論点です。
低栄養のリスクを把握する入口を評価する
もう一つの案は、医師の指示に基づく栄養スクリーニングを、算定対象に加えることです。
スクリーニングは、問題やリスクがある人を見つけ、詳しい評価や必要な支援につなぐための確認です。低栄養が明らかになった後の対応だけでなく、そのおそれを早く把握することが関係します。
資料に掲載された調査では、要支援者・要介護者に、低栄養やそのおそれがある人が一定の割合で見られます。ただし、これは調査対象者についての結果です。要介護度ごとの人数も異なるため、全国の在宅高齢者全体の割合としてそのまま説明しないようにしたいですね。
今回の案は、そのような人への評価・介入を進めるため、管理栄養士が医師の指示に基づいて行う入口の確認も評価しようとするものです。誰でも自由に検査を行えば算定できるという意味ではありません。
支援を始めやすくする二つの見直し
私は、時間要件とスクリーニングの見直しには、栄養支援への入口を広げるという共通点があると考えています。
例えば、長い説明を一度に受けることが難しい人でも、必要な内容を絞った助言が役立つ場合があります。また、食事の変化に気付いた段階で専門職へつながれば、その後の評価や支援につながります。これらは、今回の提案を理解するための場面例です。
新しい評価の単位数や詳細な要件は、今後の検討になります。今の段階では、食事量や体重、食べ方の変化を誰が把握し、どのように医師や管理栄養士へ伝えるかを確認しましょう。
日々の小さな気付きと専門的な支援をつなぐことが、制度の見直しを現場の意味として理解する助けになります。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

