こんにちは。村上佳子です。
歩く力が改善したとき、その変化が自宅での暮らしにどうつながったか。訪問リハビリテーションでは、そこまで見ていくことが重要です。
今回の資料は、心身機能、活動、参加にバランスよく働きかけるリハビリテーションを、どのように進めるかを取り上げています。
筋力や歩行と、生活上の目標を結び付ける
資料では、訪問リハビリテーションの計画や実施内容に、筋力増強訓練や歩行訓練が多い一方、ADL・IADLに関する訓練は一部にとどまるとされています。
ADLは、食事、更衣、排泄など、基本的な日常生活動作です。IADLは、買い物や調理など、より複雑な生活行為を指します。
例えば「歩行が安定する」という目標と、「台所まで移動し、簡単な食事を自分で準備する」という目標では、確認すべき内容が違います。後者を考えるには、移動だけでなく、台所での動作や生活環境も見る必要がありますね。
今回の対応案は、リハビリテーションマネジメント加算の要件として、活動・参加を踏まえた計画と、その見直しを明確にするものです。
具体的には、会議で自宅での活動・参加の状況を共有し、目標と、それに沿ったADL・IADL訓練等を含む計画を設定すること。そして、目標の達成状況を会議で報告し、必要に応じて計画を見直すことが提案されています。
計画をつくるところで終わらせない
この案では、目標を記載することと、達成状況を確認することが一組になっています。
本人ができるようになったこと、まだ難しいこと、生活の中で実際に行っていることを共有し、その結果を次の支援に反映する。その過程を、継続的に管理するという考え方です。
資料には、リハビリテーションマネジメント加算の算定状況も示されています。重要なのは、加算を取っているかどうかだけでなく、生活上の変化を関係者が確認する仕組みが、どのように働いているかです。
退院・退所前の情報を、在宅での支援へつなぐ
もう一つの論点は、退院時共同指導加算の拡充です。この加算は令和6年度改定で設けられ、退院前の関係者との情報共有や共同指導を、在宅のリハビリテーションにつなぐことを評価しています。
今回は、老健や介護医療院から退所する利用者も対象に加える案が示されています。
資料の調査では、退院・退所前カンファレンスに参加していた利用者の方が、退院・退所後からサービス開始までの期間が短いという関係も示されています。ただし、この調査だけで参加の効果を断定するのではなく、連携と円滑な開始との関係を考える材料として読みたいところです。
私は、二つの案に、自宅での暮らしを支援の中心に置き、関係者が情報をつないで確認するという共通点を感じます。
事業所では、計画の目標に本人の具体的な生活が表れているか、退院・退所時の情報が計画にどう反映されたかを振り返ってみましょう。書式の変更を待たなくても、支援のつながりは確認できます。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

