こんにちは。村上佳子です。
在宅で暮らす利用者について、医師と看護師がその時の状態を共有できれば、診療やケアの判断につながります。今回の資料では、オンライン診療の補助と、ICTによる日常的な情報連携という二つの働きが取り上げられています。
どちらもICTを使いますが、評価しようとしている内容は異なります。分けて見ていきましょう。
看護師がそばにいるオンライン診療
資料にある「D to P with N」は、離れた場所にいる医師がオンラインで診療し、利用者のそばで看護師等が支援する形です。
例えば、利用者が自宅で医師と画面越しに話し、訪問している看護師が、その場で把握した状況を共有する場面です。利用者だけでは伝えにくい情報を補い、診療を支える働きが考えられます。
今回の対応案は、訪問看護事業所の看護師等が、このオンライン診療の補助を行った場合に評価を新設するというものです。
背景には、令和8年度診療報酬改定での評価があります。ただし、資料は医療保険との整理にも注意を促しています。看護師がどこに所属しているか、定期的な訪問看護の際に行うのか、予定された訪問がない場面なのかなどによって、提供形態が違うからです。
そのため、資料に掲載された医療保険の評価を、そのまま介護保険で算定できると考えることはできません。今回示されたのは、介護保険の訪問看護における評価をどう設けるかという案です。
日頃の情報共有を、計画的な管理に生かす
もう一つは、訪問看護ステーションが地域の医療機関等とICTで情報連携した場合の評価です。
資料には、他事業所との連携にICTを使う訪問看護ステーションが増えていることや、時間の短縮、連絡漏れの防止などの効果に関する調査が掲載されています。また、入院・入所時に、在宅での看護の経過をまとめて提供している実態も示されています。
急な入院の際に、それまでの状態やケアを一からまとめ直すのは負担になります。日頃から必要な情報が共有されていれば、支援の継続に役立つ可能性がありますね。
今回の案は、こうした平時からの情報連携を評価する方向です。単に端末を購入したり、連絡用の仕組みを導入したりしたことだけを評価すると読まないことが大切です。
また、資料にある診療報酬側の詳細要件が、介護報酬でも同じ形で採用されると決まったわけではありません。
情報を使って、何ができるようになるか
私は、この二つの論点を、ICTを使って看護師の支援と関係者の連携を充実させる議論と受け止めています。診療の場で情報を補うことと、継続的な療養支援のために情報を共有すること。それぞれの目的を捉えると、対応案の違いが分かります。
事業所では、誰と、どの情報を、どの場面で共有しているかを確認してみましょう。さらに、その情報が訪問看護計画や日々の対応にどう反映されているかまで整理すると、ICT活用の実態を説明しやすくなります。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

