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市町村の境界を越えて支える―地域密着型サービスの広域利用(第257回・議事録編/第6回)

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暮らしの範囲と、市町村の境界は必ずしも一致しません。自宅から近い事業所が隣の市にあることも、家族の住まいの近くで支援を受けたいこともあります。第257回では、こうした実際の生活圏を踏まえ、地域密着型サービスを自治体の境界を越えて利用しやすくする仕組みが議論されました。

全国市長会の立場で出席した豊中市長の長内繁樹委員は、住んでいる地域によって利用できる事業所に差があり、本人がサービスを選べる環境を維持できているかという懸念を述べました。とりわけ看多機の参入状況について、地域の選択肢をどう確保するかを課題としています。

その一方で、広域利用を進めるには自治体側の調整が必要です。長内委員は、サービス整備計画やその進み具合、報酬に関わる地域区分などが自治体ごとに異なることを挙げました。そして、具体的な手続や活用事例の共有など、実際に運用するための支援を求めています。

地域密着型サービスにも、必要な自治体間の調整を経て区域外利用につながる仕組みはあります。今回の議論は、他市町村の住民は一切利用できないという単純な説明では捉えられません。制度上の道筋があっても、手続に時間がかかったり、関係者が進め方を把握しにくかったりする場合に、必要な時期に利用へつながるかが問題になります。

日本看護協会の田母神裕美委員も、区域外利用の調整に時間がかかり、利用を断念する場合があると述べています。看多機では退院後の支援など、利用のタイミングが重要になることがあります。近くに対応できる事業所があっても、利用開始までの調整が間に合わなければ、本人・家族の希望と結びつかない可能性があるのですね。

全国町村会の中島栄委員は、中山間・人口減少地域で、利用者数や人材が減る中でもサービスを維持できる仕組みを求めました。この指摘を広域利用の議論とあわせて読むと、一つの自治体だけで必要な機能をすべてそろえることが難しい場合に、近隣地域とどう支え合うかという課題が見えてきます。これは関連する発言をつないだ私の整理です。

日本慢性期医療協会の田中志子委員は、隣接自治体からの利用を踏まえ、より広い範囲での管理のあり方にも言及しました。都道府県による指導管理を含む検討を提案しています。ただし、市町村の役割を変更することが合意されたわけではなく、管理の仕組みに踏み込んだ一つの提案です。

慶応義塾大学の堀田聰子委員からも、看多機を一つの自治体だけで成立させる難しさを踏まえ、広域利用や事業所間連携を深める視点が示されました。一方、資料には、区域外へ支援を届ける際の移動費用や手続の負担も挙がっています。広域化すれば自動的に効率が上がると考えることはできません。

私は、この議論では、利用できる範囲と、無理なく支援を届けられる範囲を一緒に考えることが大切だと思います。地域とのつながりを保ちながら、市町村を越えて必要なサービスにたどり着けるようにする。そのために、利用調整、移動、費用、責任分担をどう整えるか。自治体の発言からは、理念を実際の運用につなぐための課題が伝わってきます。

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第257回・議事録編 第6回 市町村の境界を越えて支える―地域密着型サービスの広域利用 図解マンガ

文責・監修:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月21日

対象:2026年5月25日開催・第257回社会保障審議会介護給付費分科会の公開資料・議事録

本稿は第257回当日の議論を対象とし、後続会議の結論を反映した現行制度の案内ではありません。検討段階の提案を含むため、最新の厚生労働省資料・通知等は読者ご自身でもご確認ください。

出典・参照箇所

厚生労働省 第257回社会保障審議会介護給付費分科会 議事録 9~11、19、21~22、26頁(PDFのページ番号)

資料1「小規模多機能型居宅介護」

資料2「看護小規模多機能型居宅介護」

同分科会委員名簿(2026年5月25日現在)

上記資料・議事録をもとに発言を要約し、解説を加えて作成。所属・役職は会議当日。最新の厚生労働省資料・通知等は読者ご自身でもご確認ください。