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登録者が減っても、必要な体制は減らせない―小多機を維持する報酬(第257回・議事録編/第4回)

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小多機の経営を考えるとき、登録者数が減れば収入が減る、という説明だけでは十分ではありません。もう一方で、利用者の変化に応じて訪問や泊まりを提供するため、日中だけでなく夜間も含めた体制を保つ必要があるからです。第257回では、この収入と体制維持費の関係について、具体的な発言がありました。

全国老人福祉施設協議会の小泉立志委員は、小多機が在宅生活を支える重要なサービスである一方、地域の人口動態や競合状況によって登録者を確保しにくい場合があると指摘しました。月単位の定額報酬であるため登録人数が経営に大きく影響するものの、必要な対応を維持する費用が同じように減るわけではない、という問題です。

例えば、説明のために、登録者が数人減った事業所を考えてみましょう。収入は減っても、残った利用者の夜間の泊まりや緊急対応は続きます。収入の減少に比例して夜間体制を縮小できるとは限りません。日々の稼働に加え、必要なときに受け止められるよう備えている機能にも費用がかかるのですね。

小泉委員は、こうした地域差や体制維持の負担を踏まえ、地域ごとの加算や、最低限の体制を支える包括報酬の仕組みなどを検討すべきだと提案しています。ここでの焦点は、利用者一人への個別の対応に加え、地域にサービスを残しておくための基盤をどう支えるかという点です。

日本介護支援専門員協会の濵田和則委員は、利用者数が変動しても夜勤や宿直などの費用が続くことに着目しました。そして、開設後に利用者が増えるまでの間、夜勤者が配置されている施設を本体とみなし、サテライト型の基準を適用するような方法を例として挙げています。

サテライト型とは、本体事業所と連携する小規模な拠点です。濵田委員の提案は、その考え方を立ち上がり期の負担軽減に生かせないかというものです。ただし、この会議で新たな運用が認められたわけではありません。本体との連携、夜間の対応、安全性などを含めて具体化が必要な提案として受け止める必要があります。

全国町村会の中島栄委員は、中山間・人口減少地域の立場から、利用者が減少していく中でも事業者が安定して経営できる仕組みを求めました。都市部で利用者の獲得競争がある場合と、地域全体の人口が減っている場合では、同じ登録者減少でも背景が違います。努力して周知すれば十分な利用者数が集まる、という前提を置きにくい地域もあるわけです。

私は、これらの発言には三つの時間軸があると読みました。濵田委員の提案は、利用者が増えるまでの立ち上がり期。小泉委員は、日々の運営を続けるための体制維持。中島委員は、人口減少が続く地域の将来です。それぞれ必要な支え方が違うため、一つの報酬措置ですべてを説明することは難しいのですね。

一方で、具体的にどの地域を対象とし、どの費用をどこまで評価するかは、この時点では定まっていません。議事録から分かるのは、事業所の存続を登録者数だけで判断せず、地域に必要な機能と、その機能を維持する費用をあわせて考えるべきだという提案が示されたことです。小多機の役割を報酬にどう表すかという、改定に向けた大切な論点です。

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第257回・議事録編 第4回 登録者が減っても、必要な体制は減らせない―小多機を維持する報酬 図解マンガ

文責・監修:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月21日

対象:2026年5月25日開催・第257回社会保障審議会介護給付費分科会の公開資料・議事録

本稿は第257回当日の議論を対象とし、後続会議の結論を反映した現行制度の案内ではありません。検討段階の提案を含むため、最新の厚生労働省資料・通知等は読者ご自身でもご確認ください。

出典・参照箇所

厚生労働省 第257回社会保障審議会介護給付費分科会 議事録 7~8、15~16、19頁(PDFのページ番号)

資料1「小規模多機能型居宅介護」

同分科会委員名簿(2026年5月25日現在)

上記資料・議事録をもとに発言を要約し、解説を加えて作成。所属・役職は会議当日。最新の厚生労働省資料・通知等は読者ご自身でもご確認ください。