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利用者・家族とケアマネジャーは何を求めている?――2つの委員提出資料を読む(第18回/全18回)

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こんにちは。村上佳子です。

第271回の資料編の最後は、志田委員と濱田委員の提出資料です。ここまで扱ってきた厚生労働省の対応案とは位置づけが異なり、関係団体からの要望がまとめられています。

要望書を読むと、制度の検討に対して、利用者・家族や専門職が何を課題として伝えているかが分かります。

必要なサービスを、利用できる状態で確保する

志田委員提出資料は、認知症の人と家族の会による要望書です。

人材不足等により、希望するサービスを選べない状況への懸念が示され、訪問介護員や介護職員の処遇改善、報酬体系や指定基準の見直しを求めています。必要な対人サービスを維持・確保することが中心にあります。

同時に、介護報酬の引上げに伴う利用者負担にも注意を促しています。サービスを提供する体制が充実しても、費用を理由に利用を控えたり、断念したりすることになれば、必要な支援は届きません。

そのため、区分支給限度基準額の適切な引上げと、低所得者への負担軽減を併せて検討するよう要望しています。

区分支給限度基準額は、要介護度等に応じた一定のサービスについて、保険給付の対象となる利用量の上限に関係するものです。報酬と利用者負担、利用できるサービス量を一緒に考える必要がある、という要望として理解できます。

ケアマネジャーの仕事と、働き続ける条件

濱田委員提出資料は、日本介護支援専門員協会からの要望です。

基本報酬や処遇改善、人材確保に加え、介護保険サービスの利用を伴わない場合の支援など、現在の報酬で十分に捉えられていない仕事の評価を求めています。

例えば、多様な社会資源を使って生活を支える調整や、頼れる身寄りがいない高齢者への支援です。要望書は、こうした仕事が実際に生じていることを示し、その評価を求めています。

加算については、特定事業所加算Ⅰの重度者割合、医療介護連携やターミナルケアマネジメントに関する要件、訪問診療時の情報連携などが取り上げられています。

介護予防支援の業務量に応じた評価や様式の簡素化、本来業務以外の対応の整理も要望されています。さらに、訪問時のハラスメントへの安全対策、施設で働くケアマネジャー等の評価、研修費用の負担軽減、主任研修の受講機会確保まで、内容は幅広くなっています。

要望と対応案を照らし合わせる

ここで大切なのは、要望書に書かれた内容が、すべて今回の対応案に入っているわけではないことです。

例えば、特定事業所加算Ⅰの重度者割合の見直しや、介護予防支援の負担に関する問題意識は、厚生労働省の資料にもつながっています。一方、要望書にある各項目が、同じ内容で採用されたとは言えません。

また、団体の調査には、その調査対象や回答方法による特徴があります。給与や業務量の数字を比較するときも、調査の条件を確認して読む必要があります。

私は、二つの資料を併せて読むことで、サービスを提供できる体制と、必要な人が利用できる条件の両方が見えてくると考えます。専門職が働き続けられることと、利用者が支援を受け続けられることは、どちらも在宅生活を支えるために必要です。

事業者の皆さんも、経営や人員配置の課題に加え、利用者・家族が何に困っているかを整理してみてください。今回の資料が示す論点を、制度の変更だけでなく、地域の暮らしとの関係で捉えられるようになります。

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第271回・資料編 第18回 利用者・家族とケアマネジャーは何を求めている?――2つの委員提出資料を読む 図解マンガ

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月19日

本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

出典:志田委員提出資料、濱田委員提出資料