こんにちは。村上佳子です。
訪問リハビリテーションの資料では、事業所医師の関与が大きな論点になっています。今回は、診療未実施減算という現行の仕組みから整理しましょう。
名称だけを見ると、医師がまったく診察していない場合の話に聞こえるかもしれません。しかし、資料で説明されている仕組みは、それとは異なります。
事業所医師が診療できない場合の取扱い
現行では、事業所医師がやむを得ず診療を行わない場合でも、別の医療機関の医師が診察等を行うなど、一定の要件を満たすことで、減算した単位数による算定が認められています。
この際、別の医療機関の医師の研修修了等に関する要件もありますが、その適用には猶予が設けられてきました。
資料では、診療未実施減算の算定率が、創設時の20.8%から現在の11.0%に低下しているとされています。これは全算定回数に占める割合であり、事業所数の割合ではありません。
一方、減算を算定する理由には、事業所医師の診療時間を確保することが難しいといった事情があります。別の医療機関の医師の研修受講の確認や、受講の進み方にも課題が挙げられています。
このような実態を踏まえ、事業所医師が診療して関与する仕組みを、どう進めるかが問われています。
三つの対応案を、つながりで読む
第一の案は、事業所医師が外来や訪問による対面診療を行うことが難しい場合、オンライン診療の利用について明確にすることです。
第二は、適用猶予期間を設けた上で、事業所医師の診療による訪問リハビリテーションの実施を基本とすることです。
第三は、その猶予期間中、診療未実施減算を算定している場合には、リハビリテーションマネジメント加算との併算定を認めないという案です。
資料では、診療未実施減算の対象となっている利用者の27.7%で、リハビリテーションマネジメント加算も算定されていたことが示されています。このため、猶予期間中の取扱いも、実務や収入に関わる論点になります。
三つを一緒に読むと、診療の方法に柔軟性を持たせながら、事業所医師が利用者の状態を評価し、リハビリテーションの管理に関わる方向を強めようとしていることが分かります。
減算の問題だけでなく、診療と計画の関係を見る
私は、この論点を、減算があるかないかだけで捉えないことが大切だと考えます。利用者の状態を把握する医師と、計画に沿って支援する専門職の関係を、どう組み立てるかという問題だからです。
例えば、本人の体調や活動上の制約が変わったときに、誰が医学的に評価し、その内容をどう計画へ反映するのか。その流れを考えると、医師の関与という論点が具体的になります。
猶予期間の長さや最終的な要件は、この資料では確定していません。現時点で一律の対応を決めるより、診療未実施減算の対象者、併算定の状況、事業所医師の診療が難しい理由を把握しておきましょう。
自事業所の提供体制が分かっていれば、今後の具体案を見たときに、利用者への影響も含めて検討しやすくなります。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

