こんにちは。村上佳子です。
訪問介護のサービス提供責任者、いわゆるサ責は、訪問の予定を調整するだけの役割ではありません。利用者の状態を把握し、必要な支援を訪問介護計画にまとめ、ヘルパーに伝え、実施後の状況を確認して計画を見直します。
今回は、この仕事の中でも、状態把握と計画作成を支えるアセスメント機能に注目します。
サ責が本来の役割を果たしにくい背景
資料に掲載された調査では、サ責の役割を十分に果たすことが難しい状況として、ヘルパー不足によりサ責自身がサービス提供に入らざるを得ないことや、記録・報告・請求などの事務負担が挙げられています。
掲載調査の回答では、前者が74.2%、後者が58.5%でした。これは当該調査の回答事業所の状況を示す数字で、全国のすべての事業所にそのまま当てはめるものではありません。ただ、利用者の状態を丁寧に捉える時間が、別の業務に圧迫されるという問題を示しています。
中山間・人口減少地域では、さらに移動時間が加わります。訪問の必要性はあっても、移動に長時間を要すれば、他の利用者の計画作成やヘルパーへの指導に使える時間が少なくなります。
初回加算で、アセスメントをどう評価するか
初回加算は、新たな訪問介護計画に基づくサービス提供の開始時に、サ責が関与することなどを評価する仕組みです。
今回の対応案では、初回サービスへの同行に限定せず、新たな訪問介護計画を作成するためにサ責が利用者宅を訪問し、アセスメントを行った場合も評価対象にすることが提案されています。
例えば、サービス開始前にサ責が自宅を訪れ、本人の動作、住まいの環境、家族の支援状況などを確認する。その結果を踏まえて、援助の手順や注意点を計画に反映する。こうした働きも、支援の質を支える重要な関与です。
資料が問うているのは、その関与をどのような場面で評価するかということです。評価対象を広げる案を、アセスメント自体を簡略化する話として読まないようにしたいですね。
オンライン確認にも、具体的な場面が示されている
もう一つの案は、ヘルパーが利用者宅を訪問している際に、サ責がオンラインで利用者と面談し、状況を確認する場合も評価できる仕組みです。
この案では、現地にヘルパーがいる場面が示されています。サ責は利用者と会話し、必要に応じて現地のヘルパーから状況を聞くことになります。移動の負担を抑えながら、サ責が状態を把握する機会をどう確保するかという提案です。
対面とオンラインでは、把握しやすい情報に違いがあります。具体的にどのような条件で評価するかは今後の整理ですが、資料では、サ責のアセスメント機能を大切にしながらICTを活用するという関係になっています。
私は、今回の案を、サ責がどこに同行したかだけでなく、どのように利用者を理解し、計画に反映したかに目を向ける方向と捉えています。
事業所では、サ責が集めた情報と、計画の変更点とのつながりを確認してみましょう。同時に、サ責がサービス提供や事務作業に割いている時間を把握すると、役割を発揮する上で何が障害になっているかも見えてきます。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

