こんにちは。村上佳子です。
訪問看護は、予定された訪問の中で療養を支えるだけでなく、状態の変化や緊急時にも対応します。今回の資料では、その幅広い役割を支える体制について、報酬と運営基準の両面から対応案が示されています。
項目が多いので、緊急対応、専門的な支援、日常の管理、運営体制の順に整理してみましょう。
緊急対応の体制と、時間外の訪問
緊急時訪問看護加算は、緊急時に対応できる体制等を評価する仕組みです。一方、早朝・夜間加算や深夜加算は、その時間帯に訪問することに関わる評価です。
今回の案は、緊急時訪問看護加算を算定している場合でも、夜間等の月初回の訪問について、早朝・夜間や深夜の加算を算定できるようにするというものです。
利用者から連絡を受けて対応できるよう備えることと、実際に時間外に訪問することには、それぞれ負担があります。資料は、その関係を見直そうとしています。
専門性と、保険をまたぐ実績の捉え方
専門性の高い看護師については、認知症の利用者への支援などに関する地域の相談支援も踏まえ、専門管理加算の評価対象を広げる案があります。
専門的な知識を持つ看護師の働きは、自分が直接訪問する利用者へのケアだけに限られません。他の支援者から相談を受け、地域の対応力を支える場合もあります。今回の資料は、その役割にも目を向けています。
看護体制強化加算では、ターミナルケアの実績の捉え方が論点です。訪問看護は、利用者の疾患や状態等によって、医療保険と介護保険の適用が異なります。そのため、事業所の看取りへの対応力を見る際には、どちらの保険で提供したかという区分と、事業所全体の実態との関係を考える必要があります。
資料では、その実態に応じた評価が提案されています。新しい実績の数え方や人数要件まで、ここで確定しているわけではありません。
服薬管理と、手厚いケアへの対応
服薬管理については、利用者宅の残薬を確認し、医師・薬剤師等に報告することなどを、運営基準上の要件にする案があります。
薬が余っている場合、単に数が多いというだけでなく、飲めていない理由や処方変更との関係を確認する必要があるかもしれません。訪問看護で把握した情報を、処方や薬学的管理に関わる専門職へつなぐことが論点になっています。
また、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理に関わる対象者について、特別管理加算Ⅱや長時間訪問看護加算の対象に追加する案も示されています。医療側の見直しを踏まえ、手厚いケアを必要とする利用者への介護保険上の評価を整えるものです。
運営体制も、質の確保と一緒に考える
サテライトについては、本体事業所との一体的な運営に関する具体的な要件の目安を、自治体に示す案があります。拠点が増えても、指導や情報共有が適切に行われるかという視点です。
安全管理については、事故発生時等の体制確保に関する研修受講が望ましい旨を運営基準に加える案です。「望ましい」という位置づけと、一律の受講義務とは区別して読む必要があります。
私は、今回の資料を、訪問看護の働きを具体的に分け、それぞれに合った評価と基準を整える議論と捉えています。加算の拡充だけでなく、日々の支援や運営の質をどう確保するかも含まれています。
事業所では、緊急対応、専門的支援、服薬管理、拠点間の情報共有が、どのような手順で行われているかを確認しておくとよいでしょう。
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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本シリーズは、第271回介護給付費分科会の公開資料に基づく解説です。作成日時点の情報で、議事録は反映していません。検討中の対応案や団体の要望を含みます。実際の算定・運営上の対応に当たっては、最新の厚生労働省資料・告示・通知等を読者ご自身でもご確認ください。

