対象:第270回介護給付費分科会の公開資料。議事録は反映していません。
こんにちは。村上佳子です。
送迎の負担を考えるとき、利用者が車に乗っていた時間だけでは見えないものがあります。車両を準備し、職員を配置し、自宅まで向かう。その後に予定が変わっても、そこまでの負担は既に発生しています。
今回の資料では、こうした実態と送迎減算の関係が論点になっています。
送迎の実施と、送迎のために動いた事実
通所介護では、事業所が送迎を行わない場合に、報酬から減算する仕組みがあります。
一方、現場では、あらかじめ送迎を予定し、利用者宅まで迎えに行ったところで、突発的に送迎ができなくなることがあります。
資料の対応案は、まさにこのような場面を例として挙げています。事業所が送迎のために人員と車両を動かしているにもかかわらず、結果として送迎が実施できなかった場合を、どのように扱うかという問題です。
突発的な送迎キャンセルを、例外として扱う案
対応案では、利用者の居宅まで迎えに行った際に発生するような「突発的な送迎のキャンセル」について、例外的に送迎減算の対象から外すことを検討するとしています。通所リハビリテーションについても、同様に検討することが示されています。
ここで押さえたいのは、「送迎のキャンセル」と「サービス利用全体のキャンセル」を、同じ話にしないことです。
今回の案は、送迎減算の取扱いに関するものです。デイの利用そのものが中止になった日に、基本報酬を請求できるようにするという提案ではありません。
また、すべての送迎キャンセルを対象外にするとも書かれていません。資料が例示しているのは、迎えに行った際に発生するような突発的なケースです。事前に送迎不要と決まっていた場合まで含むかのような説明は避ける必要があります。
具体的な運用は、今後の確認が必要
実際に制度化する場合には、どのような状況を突発的と判断するのか、どのような記録で確認するのかなど、運用上の整理が重要になります。
ただし、この資料だけで新しい記録要件や判断基準まで決まったと受け止めることはできません。今は、例外的な扱いを検討するという方向が示された段階です。
私が注目するのは、送迎が完了したかどうかに加え、事業所にどのような負担が実際に発生したかを評価しようとしている点です。
事業所では、既存の送迎記録の中で、予定変更が分かった時点や対応状況を確認できるようにしておくと、実態を把握しやすくなります。将来の算定を想定した記録の追加ではなく、まず現状を理解するための整理と考えてください。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
※本稿は検討段階の公開資料に基づきます。送迎減算の例外が既に適用できるという説明ではありません。最新の公式資料・通知等を、ご自身でも確認してください。
