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「お風呂だけ」のデイ利用を、どこまで認めるのか――入浴サービスが不足する地域への対応案(第2回/全16回)

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対象:第270回介護給付費分科会の公開資料。議事録は反映していません。

こんにちは。村上佳子です。

「長い時間デイサービスに通うほどではないけれど、自宅のお風呂には安全に入れない」。こうした相談を受けたことのある事業所もあるのではないでしょうか。

今回の資料では、入浴だけを目的とする短時間の利用について、地域のサービス不足を踏まえた対応が提案されています。

短時間の入浴利用には、複数の背景がある

資料に掲載された調査の速報値では、短時間で入浴のみを利用したいという問い合わせや相談があった事業所は、約5割でした。

その理由には、自宅の浴室では安全に入浴できないこと、家族などによる介助が受けられないこと、入浴以外の通所介護を必要としていないことなどが挙がっています。

ここで注意したいのは、こうした相談のすべてが、地域のサービス不足によるものではないということです。地域に訪問介護や訪問入浴介護等が不足していることを理由に挙げた回答は、相談があった事業所のうち約1割でした。

一方、中山間地域や離島などでは、入浴に関わるサービスの不足を理由とする割合が、他の地域より高い傾向にあります。資料は、この地域差にも目を向けています。

対応案は、地域の条件を踏まえた例外

示されているのは、中山間地域等で、入浴介助を目的とした介護サービス事業者が存在しない地域であることなどを要件として、例外的に通所介護等で入浴を目的とするサービスを認めることを検討する、という案です。

つまり、今回の提案を「これからは、どのデイでも入浴だけの利用ができる」と説明するのは正確ではありません。

入浴の必要性があっても、それを支える地域のサービスがない。そのような場合に、既にある通所介護の設備や人員を活用できないか、という問題設定なのです。

また、具体的な対象地域、利用時間、報酬などが、ここで一式決まったわけでもありません。資料に書かれている条件と、今後の検討に残されている部分を分けておきましょう。

「入浴の機会を確保する」という視点

私が注目するのは、サービスの区分から出発するだけでなく、地域で入浴の機会をどう確保するか、という視点です。

自宅で暮らし続けるために必要な支援が、地域によっては既存の仕組みだけでは届かない。その不足を、別のサービスが補えるようにする方向と読むことができます。

事業所では、入浴のみの相談があった際に、利用者が何に困り、地域のどの支援につながらなかったのかを把握しておくとよいでしょう。単なる利用希望の件数よりも、今回の論点との関係が見えやすくなります。

第2回 「お風呂だけ」のデイ利用を、どこまで認めるのか――入浴サービスが不足する地域への対応案の図解漫画

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月19日

※本稿は検討段階の公開資料に基づきます。入浴目的の短時間利用について、全国一律の取扱いや具体的な算定要件が決定したものではありません。最新の公式資料・通知等を、ご自身でも確認してください。

出典:第270回・資料1「通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護」8~9、14~15頁