対象:第270回介護給付費分科会の公開資料。議事録は反映していません。
こんにちは。村上佳子です。
「延長加算を廃止する案」と聞くと、長時間の利用を支える評価がすべてなくなるのかと心配になるかもしれません。
今回の資料で対象になっているのは、延長加算のうち特定の二つの区分です。まず、この範囲を正確に押さえましょう。
対象は、12時間以上の二つの区分
対応案に示されているのは、延長加算の「ニ」と「ホ」の廃止です。
具体的には、12時間以上13時間未満の場合と、13時間以上14時間未満の場合です。資料は、この二つについて算定率が低いことを挙げています。
通所リハビリテーションについても、同様に検討するとされています。
したがって、延長加算のすべてを廃止する案とは異なります。また、サービス提供時間そのものを一律に制限する案として読むこともできません。ここで議論しているのは、特定の報酬区分の扱いです。
算定が少ない理由にも目を向ける
資料では、延長加算を算定しない理由として、突発的なやむを得ない事情の場合に、加算を算定せず柔軟に対応しているという回答が最も多かったことが紹介されています。
これは、加算の算定が少ないからといって、現場で時間を延ばす対応が全く行われていないとは限らないことを示しています。
家族の事情などで予定どおりに帰宅できず、事業所が個別に対応する場面がある。その実態と、制度上の加算の利用状況は分けて見る必要があります。
分かりやすさと事務負担軽減が、提案の理由
対応案が挙げるのは、利用者にとっての分かりやすさと、事業者の事務負担軽減です。細かい区分があっても、実際の算定が少ないのであれば、整理できないかという提案になっています。
ただ、区分を減らすことで現場の負担がどの程度軽くなるかや、現に算定している事業所への影響は、丁寧に確認する必要があります。
この資料だけで、代替となる新しい評価が設けられると説明することはできません。廃止案があることと、その後の具体的な取扱いがすべて決まっていることは別です。
自事業所への影響は、利用実態から確認する
私が今回の論点で大切だと考えるのは、「算定が少ない」という情報だけで、支援の必要性まで小さいと判断しないことです。
事業所では、対象の二つの区分を算定しているか、算定していなくても長時間の対応がどのような事情で生じているかを確認しておきましょう。制度上の区分と、実際に担っている役割を分けて把握すると、今後の議論が読みやすくなります。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
※本稿は検討段階の公開資料に基づきます。延長加算全体や長時間サービスの廃止が決定したものではありません。最新の公式資料・通知等を、ご自身でも確認してください。
