対象:2026年10月14日開催・第270回介護給付費分科会の公開資料。議事録は反映していません。
こんにちは。M&Cパートナーコンサルティングの村上佳子です。
今回から、第270回介護給付費分科会の資料を読み解いていきます。対象は、デイサービス、通所リハビリテーション、ショートステイなど、在宅生活を「通う」「泊まる」という形で支えるサービスです。
今回の資料は、加算の変更点だけを拾って読むと、全体が見えにくくなります。まずは、何が検討されているのか、見取り図をつくりましょう。
七つのサービスを、五つの資料で検討
資料1は、通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護。資料2は療養通所介護、資料3は通所リハビリテーションです。資料4・5では、それぞれ短期入所生活介護と短期入所療養介護を扱っています。
同じ「通う」「泊まる」サービスでも、利用者の状態、医療への対応、職員配置、報酬の仕組みは異なります。その違いを前提に、サービスごとの課題と対応案が示されています。
入浴や送迎など、日常の支援が具体的な論点に
通所介護関係では、入浴を目的とする短時間利用、入浴介助加算、送迎時の突発的なキャンセル、共同送迎などが取り上げられています。現場では毎日のように対応していることが、報酬や制度上の扱いと合っているのか、という問題です。
さらに、認知症対応型通所介護の基本報酬や、同一建物等に住む利用者へのサービス提供など、報酬体系そのものに関わる検討もあります。
通所リハでは、自宅での活動・参加につながる支援と、退院・退所後にリハビリを途切れさせない連携が中心です。
短期入所では、長期利用をどう評価するかが大きな論点です。ただし、長く利用しているという日数の問題だけではありません。積雪期など、地域の事情から中長期の利用が在宅生活を支えている実態も示されています。
資料の中の「意見」と「対応案」を分けて読む
資料には、これまでの分科会や関係団体からの意見、調査結果、今回の論点と対応案が並んでいます。この三つは、同じ意味ではありません。
ある団体が求めていることが、そのまま厚生労働省の対応案になっているとは限りません。また、対応案に書かれていても、改定内容として決まったわけではありません。
今回のシリーズでは、「今はどうなっているか」「どのような実態が示されたか」「何を変えようと提案しているか」を順番に確認していきます。
資料から見えるのは、支援の実態を評価し直す方向
私が今回の資料を通して感じるのは、サービスを提供したという形式だけでなく、誰に、何を、どれだけの負担で提供しているのかを、もう一度捉え直そうとする方向です。
事業所としては、まず自分たちに関係する論点を把握することから始めましょう。現時点の案を前提に運営を変えるのではなく、入浴・送迎・受入れなどの実態と照らし合わせて読むことが大切です。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
※本稿は検討段階の公開資料を解説したものです。資料の記述と筆者の見解を区別して記載しています。最新の厚生労働省資料・通知等は、ご自身でも確認してください。
