対象:第270回介護給付費分科会の公開資料。議事録は反映していません。
こんにちは。村上佳子です。
今回の短期入所生活介護の資料には、長期利用への評価を見直す案と、地域の事情による利用に配慮する案が、同じページに並んでいます。
片方だけを取り上げると、資料が考えようとしていることが伝わりません。二つを一緒に読んでいきましょう。
長期利用は、一定数存在している
資料の調査では、短期入所生活介護には短期間の利用が多い一方、長く連続して利用している人もいることが示されています。
31日以上連続利用している人に限った集計では、121日以上の利用が52.1%でした。これは、全利用者の半数以上が121日以上利用している、という意味ではありません。どの集団の割合かを確認する必要があります。
こうした実態を踏まえ、在宅生活を一時的に支える短期入所と、施設入所との機能分化が論点になっています。
31日以上の利用について、評価を見直す案
現行では、31日以上の連続利用に長期利用減算が適用され、61日以上の連続利用には、さらに長期利用の適正化に関する取扱いがあります。
今回の対応案は、31日以上の連続利用について、61日以上の利用と同程度、すなわち資料に示された介護福祉施設サービス費の水準とすることを検討するものです。
これは、31日以上の利用を禁止するという提案ではありません。長期利用に対する報酬上の評価を見直す案です。
季節利用には、減算を適用しない仕組みも検討
一方、資料には、積雪期・猛暑期・農繁期などに利用する人の存在が示されています。
地域によっては、冬季の生活環境や家族の就労状況などから、一定期間の宿泊支援が自宅での生活を続けるために必要になります。
対応案では、こうした地域の実情等に応じ、在宅生活の継続に必要な中長期利用を確保するため、減算を適用しない仕組みを検討するとしています。
ただし、冬に利用すれば一律に対象になるという話ではありません。具体的にどの地域・事情・利用形態を対象にするかは、今後の整理を確認する必要があります。
日数だけでなく、利用の目的を見る
私の読み取りでは、今回の案は、事実上の長期入所となっている利用と、地域の条件から在宅生活をつなぐために必要な利用を、より丁寧に分けて考えようとしています。
事業所では、長期利用の理由を「家族の希望」で一括りにせず、生活環境、介護者の状況、退所後の見通しなどから把握しておくとよいでしょう。必要なのは、例外に当てはめる作業ではなく、利用実態の理解です。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
※本稿は検討段階の公開資料に基づきます。新たな報酬水準や季節利用の例外要件は確定していません。最新の公式資料・通知等を、ご自身でも確認してください。
