本シリーズでは、令和8年度の医療法第25条第1項に基づく立入検査で、医療機関が確認される主なポイントを、院長・事務長向けに実務目線で整理します。
従来からの医療安全、医薬品管理、放射線管理、人員配置に加え、サイバーセキュリティ、オンライン診療、自由診療の説明、医療広告、無資格者による医療行為の防止など、確認対象は医療機関の管理運営全体に広がっています。重要なのは、規程やチェックリストが「ある」ことだけではなく、職員が理解し、実際に運用され、記録として説明できる状態にしておくことです。
立入検査を特別な日の対応ではなく、日常の管理体制を見直す機会として捉え、書類・記録・担当者・改善計画を院内でどう整えるかを、全6回でわかりやすく解説します。
| タイトル | 概要 |
|---|---|
| 第1回 令和8年度の立入検査は何が変わるのか――「書類確認」から「運用確認」へ | 令和8年度の立入検査では、従来の医療安全や職員配置だけでなく、サイバーセキュリティ、オンライン診療、医療広告、自由診療の説明など、医療機関の管理運営全体が確認対象として意識されています。本稿では、規程や書類が「ある」だけでなく、職員が理解し、実際に運用され、記録として説明できる状態を整える重要性を解説します。 |
| 第2回 医療安全で確認されるポイント――事故対応、死亡事例、記録整備をどう見直すか | 医療安全では、インシデントや事故が発生した際に、医療機関としてどのように把握し、判断し、記録し、対応するかが問われます。特に、死亡・死産事例の確認プロセス、遺族から申出があった場合の対応、報告ルート、医療安全委員会での検討、研修記録、毒薬・劇薬の管理など、立入検査で説明できる体制づくりを整理します。 |
| 第3回 サイバーセキュリティは立入検査の確認項目へ――チェックリストを“埋めるだけ”で終わらせない | 電子カルテ、レセコン、画像システム、予約システムなどに支えられる医療機関では、サイバー攻撃は情報漏えいだけでなく、診療継続に直結するリスクです。本稿では、チェックリストを埋めるだけで終わらせず、システム資産台帳、バックアップ、ID管理、委託先管理、サイバーBCP、初動対応を実際に運用・記録する重要性を解説します。 |
| 第4回 オンライン診療で確認されるポイント――指針、チェックリスト、受診施設への対応 | オンライン診療は、通院負担の軽減や災害時の診療継続に有効な一方、対面診療と同様に安全性、適切性、説明責任が求められます。本稿では、システム導入だけでなく、実施ルール、医師の研修、患者説明、本人確認、通信トラブル時の対応、診療録記載を整える必要性を解説します。オンライン診療受診施設を利用する場合の役割分担も整理します。 |
| 第5回 自由診療・広告規制でつまずかないために――ホームページ、LP、説明同意書の見直し | 医療機関の広告は、看板やチラシだけでなく、ホームページ、LP、SNS、動画、症例写真、口コミサイトなどウェブ上の情報も確認対象になり得ます。本稿では、虚偽・誇大表現、ビフォーアフター写真、自由診療の料金・リスク・副作用・治療期間・解約条件の説明不足によるトラブルを防ぐため、医療機関として確認するルールづくりを解説します。 |
| 第6回 立入検査で慌てない院内準備――事務長が整えるべき書類・記録・改善計画 | 最終回では、立入検査を特別な日の対応ではなく、日常の管理運営を説明する場として捉え、事務長が整えておきたい院内準備を整理します。医療安全、サイバー、オンライン診療、広告規制、無資格者行為、人員配置、EMISなどの書類・記録・担当者を一覧化し、指摘事項があった場合に、期限・担当・方法を明確にした改善計画を示す重要性をまとめます。 |
文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年6月30日
本コラムの内容は、作成日時点の法令・通知・事務連絡等をもとにしています。その後の改正や疑義解釈、追加通知等により、取扱いが変更されている場合がありますので、最新情報もあわせてご確認ください。
