令和8年度診療報酬改定では、在宅医療について「訪問回数を増やすこと」よりも、地域で重症患者を支える体制が重視されています。在宅医療充実体制加算の新設により、看取り、小児在宅、緊急往診、24時間対応、ICT連携などを担う医療機関が評価される一方、要件は厳しく、自院の体制確認が欠かせません。また、在医総管・施設総管では月2回訪問区分に重症患者割合2割以上の要件が加わり、形式的な訪問運用は見直しが必要です。さらに、薬剤師との同時訪問、残薬確認、訪問看護、退院後の栄養支援、材料供給、ICTによる情報共有など、在宅患者を多職種で支える仕組みも強化されます。これからの在宅医療では、患者像、体制、連携、記録を見える化し、生活の場で医療・看護・薬・栄養・介護をどうつなぐかが重要になります。
| タイトル | 概要 |
|---|---|
| 第1回 令和8年度改定で在宅医療は何が変わるのか――「訪問回数」よりも、地域で支える力が問われる時代へ | 令和8年度改定における在宅医療全体の方向性を整理します。今回の改定では、単に訪問診療の回数を増やすのではなく、重症患者、看取り、急変時対応、薬剤管理、訪問看護との連携まで含めて、地域で在宅患者を支える力が問われます。在宅医療充実体制加算、在支診・在支病の見直し、在医総管・施設総管の月2回訪問区分など、連載全体のポイントを概観します。 |
| 第2回 在宅医療充実体制加算とは何か――在宅緩和ケアから「重症患者・看取り・小児在宅」評価へ | 新設された在宅医療充実体制加算について解説します。従来の在宅緩和ケア充実診療所・病院加算が見直され、がん緩和ケアに限らず、重症患者、看取り、小児在宅、24時間対応などを担う医療機関を評価する方向になりました。一方で、医師数、緊急往診実績、看取り・小児在宅の実績、重症患者割合、ICT連携など要件は重く、自院が狙える加算かどうかの棚卸しが必要です。 |
| 第3回 在支診・在支病の要件見直し――24時間対応は「名目」ではなく「実態」が問われる | 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の要件見直しを取り上げます。24時間対応について、単に「連携している」「電話がつながる」という名目ではなく、誰が連絡を受け、誰が往診に行き、患者・家族へどう説明しているかという実態が問われます。往診時医療情報連携加算、連携型機能強化型在支診、コールセンター活用時の注意点、BCP策定・見直しまで確認します。 |
| 第4回 在医総管・施設総管の月2回訪問は要注意――重症患者割合2割要件の意味 | 在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の月2回以上訪問区分の見直しを解説します。月2回訪問している患者のうち、重症度の高い患者または包括的支援加算の対象患者の割合が2割以上であることが要件に加わりました。形式的な月2回訪問ではなく、患者の状態に応じた訪問頻度であることを説明できるよう、患者台帳、重症度、訪問看護の有無、診療録記載の確認が重要になります。 |
| 第5回 在宅患者の薬をどう管理するか――薬剤師同時訪問、残薬確認、処方箋様式の見直し | 在宅医療における薬剤管理の見直しを扱います。医師と薬剤師が同時に患家を訪問し、残薬、服薬状況、副作用、剤形・用法の適合性などを一緒に確認する評価が新設されました。また、在医総管・施設総管では残薬確認が要件化され、聞くだけでなく、その結果どう対応したかが重要になります。薬局からの情報提供、処方変更、減量、一包化、他院処方との重複確認など、薬局連携を実務に落とし込む視点を整理します。 |
| 第6回 訪問看護・退院後支援まで含めた在宅連携――クリニックが知っておきたい周辺改正 | 最終回では、訪問看護、退院後支援、栄養管理、材料供給、ICT連携など、在宅医療を支える周辺改正を整理します。訪問看護では包括型訪問看護療養費や同一建物居住者への評価見直しなどがあり、指示書を出すクリニック側も内容確認が必要です。退院後訪問栄養食事指導料の新設、衛生材料の供給ルール見直しも含め、患者の生活の場で医療・看護・薬・栄養・介護をどうつなぐかを考えます。 |
文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年6月1日
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