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在宅医療充実体制加算とは何か――在宅緩和ケアから「重症患者・看取り・小児在宅」評価へ(第2回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度改定で新設された「在宅医療充実体制加算」についてお話しします。

この加算は、今回の在宅医療改定の中でも、かなり象徴的な項目です。

これまであった「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」は廃止され、名称も内容も見直されました。新しい名称は「在宅医療充実体制加算」です。つまり、がんの緩和ケアだけではなく、地域の重症な在宅患者さんをしっかり支える医療機関を評価する方向に変わったということです。

点数も大きく変わっています。

在宅時医学総合管理料では、単一建物診療患者が1人の場合に800点、2人以上9人以下の場合に400点など、施設入居時等医学総合管理料では1人の場合に600点、2人以上9人以下の場合に300点などが示されています。また、緊急往診加算等では200点、ターミナルケア加算では2,000点、在宅がん医療総合診療料では300点が設定されています。

ただし、ここで大事なのは、点数だけを見ないことです。

この加算は、誰でも簡単に取れる加算ではありません。

施設基準では、在宅医療を担当する常勤換算医師数が3名以上、かつ常勤医師数が2名以上であること、機能強化型の在宅療養支援診療所・病院で、自院単独で24時間連絡体制と往診体制を確保していることなどが求められています。

さらに、過去1年間で緊急往診の実績が30件以上、看取りの実績と小児在宅患者数の合計が30件以上であること、緩和ケア研修を修了した常勤医師が在宅医療を担当していることなども関係します。

ここまで見ると、かなり本格的な在宅医療機関向けの評価であることがわかります。

つまり、今回の在宅医療充実体制加算は、
「在宅を少しやっているクリニック」
というより、
「地域の在宅医療の中核を担う医療機関」
を評価するものと考えた方がよいです。

もう一つ重要なのが、重症患者さんの割合です。

施設基準では、在宅医療を提供する患者さんのうち、別表第8の2に該当する重症度の高い患者さんと終末期の患者さんの合計が2割以上であることも求められています。また、訪問診療を担当する医師1人当たりの訪問診療患者数が100人以下であること、ICTを活用した多職種連携として在宅医療情報連携加算の届出を行っていることも示されています。

ここから見えるメッセージは明確です。

国は、在宅医療を「たくさん回る」医療から、「重症患者さんをきちんと診る」医療へ移そうとしています。

院長先生、事務長さんがまずやるべきことは、自院がこの加算を狙えるかどうかを、冷静に棚卸しすることです。

医師数は足りるのか。
24時間体制は自院単独で本当に可能か。
緊急往診、看取り、小児在宅の実績はあるのか。
緩和ケア研修、ICT連携、患者への情報提供は整っているのか。

ここを一つひとつ確認してください。

無理に取得を目指す必要はありません。

ただし、今後の在宅医療の方向性を知るうえで、この加算はとても重要です。

在宅医療充実体制加算は、単なる新加算ではなく、これから地域で評価される在宅医療機関のモデル像を示していると考えていただくとよいと思います。

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