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令和8年度改定で在宅医療は何が変わるのか――「訪問回数」よりも、地域で支える力が問われる時代へ(第1回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定の中から、「在宅医療」に関係する改正についてお話しします。

在宅医療というと、どうしても「訪問診療を何回行うか」「在医総管がどうなるか」という点に目が向きがちです。

もちろん、それも大事です。

でも、今回の改定を見ていると、国が見ているのは、単なる訪問回数ではありません。

もっと大きくいうと、
地域で、重症の在宅患者さんを本当に支えられる医療機関なのか
看取りや急変時対応まで含めて、責任ある体制を持っているのか
ここが問われている改定だと思います。

今回の在宅関連改定では、在宅医療充実体制加算の新設、在宅療養支援診療所・病院の見直し、在医総管・施設総管の月2回訪問区分の見直し、医師と薬剤師の同時訪問、残薬確認、訪問看護の適正化などがまとめて行われています。厚労省資料でも、在宅医療を「地域で面として支える体制」にしていく方向が示されています。

特に注目したいのは、在宅医療充実体制加算です。

これまでの在宅緩和ケア充実診療所・病院加算が見直され、より広く、重症患者さん、看取り、小児在宅、緩和ケア、24時間対応などを担う医療機関を評価する形に変わりました。名称も「在宅医療充実体制加算」となり、在宅緩和ケアだけでなく、地域の在宅医療全体を支える医療機関を評価する方向になっています。

一方で、要件は軽くありません。

医師数、24時間連絡・往診体制、緊急往診実績、看取り実績、重症患者割合、ICT連携などが関係します。つまり、在宅医療を「件数を増やす事業」として見るのではなく、「地域の重症患者さんを支える体制づくり」として考える必要があります。

もう一つ大事なのが、在医総管・施設総管の月2回訪問区分です。

今回、月2回以上訪問診療を行っている患者さんについて、重症度の高い患者さんや包括的支援加算の対象患者さんの割合が2割以上であることが要件に追加されました。軽症の患者さんに対して、形式的に月2回訪問しているような運用は、今後かなり注意が必要です。

院長先生、事務長さんにまず確認していただきたいのは、次の3つです。

1つ目は、現在の在宅患者さんの重症度です。
月2回訪問している患者さんのうち、本当に医療必要度が高い方がどれくらいいるのか。

2つ目は、24時間対応の実態です。
夜間・休日の連絡、往診、医師の交代体制、患者さんへの説明文書が、実態として整っているか。

3つ目は、薬局、訪問看護、介護施設、病院との連携です。
在宅医療は、医師だけで完結するものではありません。むしろ、薬剤師さん、訪問看護師さん、ケアマネジャーさん、介護施設の職員さんとの連携が、これまで以上に重要になります。

今回の改定は、「在宅医療をやっているから評価する」という改定ではありません。

重症患者さんを支え、急変時にも対応し、薬や看護も含めて生活の場で医療を組み立てられる医療機関を評価する改定です。

まずは、自院の在宅医療を、患者数ではなく、患者像、体制、連携、記録の4つで見直してみてください。

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