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令和8年診療報酬改定「身体的拘束最小化への対応」コラム目次

令和8年度診療報酬改定では、入院基本料通則における「身体的拘束最小化」への対応が、200床未満の病院にとって重要な実務課題となります。本連載では、身体抑制対応が重視される背景から、体制基準・実績等基準の整理、40点減算・20点減算を避けるための院内体制、実施割合の数え方、委員会・ラウンド・代替策検討の進め方、身体拘束最小化推進体制加算までを、M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子氏が実務目線でわかりやすく解説します。

タイトル概要
①なぜ今、身体抑制対応が入院基本料通則の重要テーマになったのか令和6年度改定で始まった身体的拘束最小化の流れを振り返り、令和8年度改定で何が強化されたのかを整理します。200床未満病院では、地域包括ケア病棟、療養病棟、地域一般病棟などで高齢患者・認知症患者への対応が多く、現場の安全確保と患者の尊厳の両立が大きな課題になります。まずは「身体抑制をゼロにしなさい」という単純な話ではなく、「やむを得ない場合以外は行わない」という考え方を病院全体でどう運用するかが問われている、という全体像を説明します。
②入院基本料通則のどこが変わるのか――体制基準と実績等基準を分けて理解する今回の改定の中心である「体制に係る基準」と「実績等に係る基準」を分けて解説します。体制基準では、記録、身体的拘束最小化チーム、指針、研修などが基本になります。一方、令和8年度改定で新設される実績等基準では、身体的拘束の実施割合が集計されていること、1割5分以下であること、または委員会・巡回・代替策検討・研修などの取組が継続されていることが重要になります。
③40点減算・20点減算を避けるために、まず確認すべき院内体制減算の仕組みを事務長目線で整理します。体制・実績等の双方を満たせない場合は40点減算、体制はあるが実績等を満たせない場合は20点減算という構造を押さえたうえで、自院の指針、委員会、チーム、研修、記録様式、病棟での運用実態を点検します。経過措置として、令和8年3月31日時点で入院基本料等の届出をしている病棟・病室は、令和9年5月31日まで一部基準を満たすものとみなされる点も説明します。
④身体抑制の「実施割合」をどう数えるか――センサー、固定ベルト、車椅子対応の注意点実績等基準で重要になる「身体的拘束の実施割合」の考え方を解説します。直近3か月間の入院料算定日数を分母、身体的拘束を実施した日数を分子として計算する考え方を説明しつつ、センサークリップ等のみの場合、処置・移動時の短時間固定、訓練中の車椅子固定など、実施日数に含めないケースを整理します。現場で判断がぶれやすい部分なので、看護記録・委員会資料・様式9周辺の管理とセットで説明すると実務的です。
⑤現場でどう減らすか――委員会、ラウンド、代替策検討を形だけにしない運用身体抑制最小化は、委員会を開くだけでは進みません。3か月に1回以上の委員会、拘束が行われている病棟での解除・代替策検討、チーム巡回または病棟内複数職員による検討、年2回以上の研修などを、日常業務にどう落とし込むかを扱います。200床未満病院では人員に余裕がないため、「新しい会議を増やす」のではなく、医療安全、認知症ケア、褥瘡、転倒転落対策など既存会議との連動もポイントになります。
⑥身体拘束最小化推進体制加算と院長・事務長チェックリスト最終回では、減算回避だけでなく、質の高い取組を評価する「身体的拘束最小化推進体制加算」も取り上げます。この加算は1日につき40点で、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、特殊疾患病棟入院料などを算定する患者が対象とされています。施設基準では、十分な体制・実績、病院全体の取組、原則として身体的拘束を行わない方針、実施状況の院内掲示・ウェブサイト掲載が求められます。最後に、院長・事務長・看護部長が確認すべきチェックリスト形式で締めます。