本コラムシリーズでは、令和8年度診療報酬改定における「常勤要件・人員配置基準の柔軟化」について、200床未満病院の実務に引き寄せて解説します。看護職員が一時的に不足した場合の取扱い、常勤要件の週32時間から31時間への見直し、専従者の兼務ルール、摂食嚥下支援やリハビリ職種の病棟関与など、現場で確認すべきポイントを整理します。今回の柔軟化は、「人を減らしてよい」という改定ではありません。限られた人員で医療の質を維持し、職員の働きやすさと病院経営の安定を両立するために、人員配置を再設計するきっかけです。院長・事務長が、採用活動の記録、勤務時間、専従者の業務実態、多職種連携を見える化し、施設基準を一人任せにしない管理体制をつくることの重要性を伝えるシリーズです。
| タイトル | 概要 |
|---|---|
| ①令和8年度改定で「常勤要件・人員配置基準」はどう柔軟化されたのか――200床未満病院がまず押さえる全体像 | 令和8年度診療報酬改定における常勤要件・人員配置基準の柔軟化について、全体像を整理する回です。看護職員不足時の取扱い、専従要件の見直し、常勤31時間化、摂食嚥下支援、リハビリ職種の業務範囲拡大を概観し、「人員削減」ではなく「病院機能を維持する配置設計」として捉える重要性を解説します。 |
| ②看護職員が一時的に不足したらどうする?――配置基準の猶予と採用努力の証拠づくり | 看護職員が急な退職・休職・産休育休の重なりなどで一時的に不足した場合の取扱いを解説します。一定条件のもとで3か月以内の配置基準の猶予が認められる場合がありますが、前提となるのは平時からの採用努力です。求人票、ハローワーク、ナースセンター、自院HP、面接記録など、採用活動の証拠を残す実務を整理します。 |
| ③常勤要件は週32時間から31時間へ――医師・医師事務作業補助者の配置で何が変わるか | 常勤要件の所定労働時間が週32時間から31時間へ見直される点を、200床未満病院の実務に引き寄せて解説します。医師や医師事務作業補助者の勤務時間、週4日勤務、育児・介護による短時間勤務の扱いを確認しつつ、「常勤要件」と「常勤換算」は別物であることを強調します。採用戦略にも活かせる改定です。 |
| ④専従者はどこまで他業務に関われる?――感染対策・医療安全・栄養管理の兼務ルール | 感染対策、医療安全、栄養管理などに関係する専従要件の見直しを整理します。200床未満病院では専門職を一つの業務に完全固定することが難しいため、一定範囲で他業務や介護保険施設等への助言に関われる柔軟化は重要です。ただし、月16時間の目安や本来業務への支障、助言内容・時間の記録が不可欠であることを解説します。 |
| ⑤摂食嚥下・リハビリ職種の配置はどう変わる?――ST・PT・OTを病棟で活かす考え方 | 摂食嚥下機能回復体制加算とリハビリ専門職の業務範囲見直しを解説します。言語聴覚士の専従要件が見直され、専任でも対応しやすくなることで、STを摂食嚥下支援チームに位置づけやすくなります。また、PT・OT・STをリハ室だけでなく病棟で活かし、食べる力、生活機能、退院後の暮らしを支える考え方を整理します。 |
| ⑥院長・事務長のための実務チェックリスト――柔軟化を“人員削減”ではなく“配置設計”に活かす | 最終回として、院長・事務長が確認すべき実務チェックリストを整理します。看護配置、常勤31時間化、専従者の業務実態、摂食嚥下支援とリハ職活用、施設基準ミーティングの必要性を確認します。今回の柔軟化を単なる基準緩和ではなく、限られた人員で医療の質、働きやすさ、病院経営の安定を支える配置再設計の機会として捉えます。 |
文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年6月8日
本コラムの内容は、作成日時点の法令・通知・事務連絡等をもとにしています。その後の改正や疑義解釈、追加通知等により、取扱いが変更されている場合がありますので、最新情報もあわせてご確認ください。
