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常勤要件は週32時間から31時間へ――医師・医師事務作業補助者の配置で何が変わるか(第3回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定における、常勤職員の常勤要件に係る勤務時間数の見直しについてお話しします。

今回の改定では、常勤職員の常勤要件に係る所定労働時間数が、週32時間から週31時間に見直されます。

一見すると、
「1時間短くなっただけ?」
と思われるかもしれません。

でも、200床未満の病院にとっては、この1時間が意外と大きいです。

なぜかというと、病院の現場では、育児、介護、体調面、働き方の希望などにより、フルタイム勤務が難しい職員が増えているからです。

特に医師や医師事務作業補助者については、勤務時間の設計が施設基準に影響します。

たとえば、急性期一般入院料や7対1入院基本料に係る医師数の考え方では、常勤医師の要件として、週4日以上常態として勤務し、所定労働時間が週31時間以上であることが示されています。

また、育児・介護休業法に基づく短時間勤務等の場合には、週30時間以上という考え方も残っています。

ここで注意したいのは、
「31時間なら何でも常勤1人分になる」わけではない
ということです。

常勤要件と常勤換算は、似ていますが、同じではありません。

常勤要件は、
「その人を常勤職員として扱えるか」
という話です。

一方、常勤換算は、
「勤務時間を何人分として計算するか」
という話です。

厚生労働省の資料でも、常勤換算においては、その医療機関における常勤職員の所定労働時間をもって常勤1名として換算し、32時間未満の場合は32時間として扱う旨が示されています。

つまり、ここを混同すると危険です。

事務長さんとしては、
「常勤扱いできるから大丈夫」
ではなく、
「常勤換算では何人分になるのか」
まで確認する必要があります。

特に注意したいのが、医師事務作業補助体制加算です。

医師事務作業補助者は、医師の働き方改革を支える重要な職種です。

診断書作成補助、診療録代行入力、紹介状や返書の作成補助、各種文書作成など、医師の事務負担を減らす役割を担っています。

200床未満の病院でも、医師の確保が難しくなっている中で、医師事務作業補助者の活用はますます重要になります。

ただし、医師事務作業補助者についても、配置基準や専従性、勤務時間の整理が必要です。

今回の常勤31時間化によって、週31時間勤務の職員をどのように位置づけるか、施設基準との関係を確認する必要があります。

ここでおすすめしたいのは、職種別・加算別の人員配置表を作ることです。

例えば、次のような項目です。

医師。
看護職員。
医師事務作業補助者。
薬剤師。
管理栄養士。
理学療法士。
作業療法士。
言語聴覚士。
医療安全管理者。
感染管理担当者。

それぞれについて、
常勤か非常勤か。
週何日勤務か。
週の所定労働時間は何時間か。
どの施設基準に関係しているか。
専従か専任か。
兼務している業務は何か。

これを一覧にしておくと、非常に管理しやすくなります。

特に200床未満の病院では、一人の退職や勤務時間変更が、施設基準に直結することがあります。

「この職員が週32時間から31時間になった」
「この医師が週4日勤務に変わった」
「医師事務作業補助者が育児短時間勤務になった」

こうした変更があったときに、どの届出に影響するのかをすぐ確認できるようにしておくことが大切です。

今回の改定は、働き方の柔軟化を後押しするものです。

しかし、柔軟に働けるようになった分、病院側の管理も丁寧にする必要があります。

院長先生、事務長さんにお伝えしたいのは、
「常勤31時間化」は、採用しやすくするための武器にもなる
ということです。

週32時間は難しいけれど、週31時間なら勤務できる。
家庭の事情があるが、週4日で31時間なら働ける。
非常勤ではなく、一定の責任を持って勤務したい。

こうした人材を確保できる可能性があります。

人手不足の時代には、勤務条件のわずかな違いが採用力に影響します。

ですから、今回の見直しを単なる施設基準の変更として見るのではなく、
採用戦略・勤務形態の見直し・施設基準管理をつなげて考える
ことが大切です。

次回は、感染対策や医療安全などに関係する「専従要件」の見直しについてお話しします。

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