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令和8年度改定で「常勤要件・人員配置基準」はどう柔軟化されたのか――200床未満病院がまず押さえる全体像(第1回/全6回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定の中から、200床未満の病院にとって非常に重要なテーマである、常勤要件・人員配置基準の柔軟化についてお話しします。

このテーマ、最初にお伝えしておきたいのは、
「人を減らしてもよくなった」
という話ではない、ということです。

むしろ逆です。

人手不足が深刻になる中で、限られた人員をどう活かしながら、医療の質を維持するか。
看護師、医師、医師事務作業補助者、管理栄養士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士など、多職種の力をどう配置していくか。
そこが問われている改定です。

今回の見直しは、大きく分けると5つあります。

1つ目は、やむを得ない事情で看護職員が一時的に不足した場合の取扱いです。
平時から採用努力をしているにもかかわらず、突発的な退職や休職などで一時的に看護職員の配置基準を満たせなくなることがあります。今回、一定の条件を満たす場合には、3か月を超えない期間に限り、変更の届出を行わなくてもよい取扱いが設けられました。

2つ目は、感染対策向上加算や医療安全対策加算などにおける専従要件の見直しです。
「専従」と聞くと、その業務以外は一切してはいけないように感じますよね。もちろん、専従の考え方は大事です。ただ、200床未満の病院では、専門職を一人の業務だけに完全固定することが難しい場面もあります。そこで、一定の範囲で他業務や介護保険施設等への助言を行いやすくする見直しが行われています。

3つ目は、常勤職員の勤務時間数の見直しです。
これまで常勤要件は、原則として週32時間以上という考え方でした。令和8年度改定では、この常勤要件に係る所定労働時間数が、週32時間から週31時間に見直されます。

4つ目は、摂食嚥下機能回復体制加算の見直しです。
摂食嚥下支援チームにおける言語聴覚士の配置について、専従要件が見直され、専任でもよい方向になります。高齢患者さんが多い中小病院では、嚥下機能の評価や食事支援はますます重要になります。

5つ目は、リハビリ専門職の業務範囲の見直しです。
疾患別リハビリテーション料や特定入院料に配置されている療法士について、病棟内外で専門性を活かした指導等に関われる範囲が広がります。

では、200床未満の病院では、この改定をどう捉えればよいのでしょうか。

私は、今回の改定は、
「施設基準を満たすための人員配置」から、「病院機能を維持するための配置設計」へ考え方を変える改定
だと思っています。

これまでは、どうしても、
「この加算にはこの職種が何人必要」
「この入院料にはこの配置基準が必要」
という形で、点数ごと、施設基準ごとに人を当てはめて考えがちでした。

もちろん、それは必要です。

ただ、これからはそれだけでは足りません。

看護師が急に退職したらどうするのか。
医師事務作業補助者をどう確保するのか。
感染管理認定看護師や医療安全管理者を、病院内だけでなく地域連携にもどう活かすのか。
リハビリ職種を病棟業務や生活支援にどう関与させるのか。

こうしたことを、院長先生、看護部長、リハビリ責任者、栄養科、医事課、事務長が一緒に考える必要があります。

特に200床未満の病院では、一人の職員が複数の役割を担っていることが多いです。

だからこそ、
「この人が抜けたら、この加算はどうなるのか」
「この部署の人員が減ったら、どの届出に影響するのか」
「兼務できる業務と、兼務してはいけない業務はどこか」
を見える化しておくことが大事です。

今回の改定は、現場にとって少し助かる面があります。

ただし、柔軟化されたからといって、記録や説明が不要になるわけではありません。

むしろ、柔軟化された分だけ、
「なぜこの配置でよいと判断したのか」
「どの範囲で兼務しているのか」
「採用努力はどのように行っているのか」
を説明できることが重要になります。

この連載では、6回に分けて、200床未満病院の実務に引き寄せながら、常勤要件・人員配置基準の柔軟化を整理していきます。

次回は、まず看護職員が一時的に不足した場合の取扱いについて、詳しく見ていきます。

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