こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
ここからは、今回の疑義解釈その11の大きなテーマであるベースアップ評価料について見ていきます。
今回10問も出ていますので、かなり重要です。
まず今回は、「日常の届出管理」に関係するところから整理します。
対象職員がゼロになったら届出変更が必要
例えば小規模な診療所で、ベースアップ評価料の対象となっていた職員が退職し、対象職員がゼロになったとします。
この場合は、そのまま評価料を算定し続けることはできません。
速やかに地方厚生局等へ届出変更を行い、変更届を提出した月の翌月から算定しないという取扱いになりました。
さらに、これに伴って令和6年度改定時の疑義解釈の一部が廃止されています。
以前の資料を保存して、そのまま院内マニュアルに使っている医療機関は注意してください。
非常勤医師でも勤務時間によっては「常勤」に含められる
区分計算に使う「賃金改善算定基礎額」についても整理されました。
40歳未満の非常勤医師・歯科医師であっても、事業主や役員を除き、その医療機関の常勤医師・歯科医師の所定労働時間以上働いていれば、「常勤の医師及び歯科医師」に含めることができます。
なお、その所定労働時間が週32時間未満の場合は、32時間が基準になります。
「非常勤という雇用区分だから対象外」と機械的に判断するのではなく、実際の労働時間を確認してください。
複数の医療機関で通算している法人は少し複雑
法人内に病院や診療所が複数あり、同じ給与体系を使って、月額賃金総額や対象職員数を通算して届け出ているケースもあります。
ここでは、「10%変動したら即変更」と覚えないでください。
対象職員数については、通算している全医療機関の合計人数が届出時から1割以上変動し、改めて区分を計算した結果、区分そのものが変わる場合に変更届が必要です。
一方で、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)等の算定回数や延べ入院患者数は、医療機関ごとに判定します。
こちらも1割以上変動したうえで、再計算により区分が変わる場合に変更します。
つまり、
「人数は法人全体」
「算定回数・入院患者数は医療機関単位」
という違いがあります。
複数施設を運営する法人では、特に注意してください。
一度辞退しても再届出できる
もう一つ、一度ベースアップ評価料を辞退したケースです。
「一度やめたら、継続的な賃上げの要件から外れてしまうの?」
という疑問があります。
今回、一定の条件を満たせば再届出が可能であることが整理されました。
ポイントは、再開時の対象職員の基本給等総額が、辞退した時点の給与体系を当てはめた場合の水準を下回っていないことです。
つまり制度が見ているのは、
途中で届出をやめたかどうかだけではなく、賃金水準を後退させていないか
ということです。
ベースアップ評価料は、診療報酬だけを見ていては管理できません。
給与担当者、経理担当者、医事担当者が持っている情報を一つにつなげる必要があります。 医事課だけに任せず、法人全体で管理する仕組みを作っておくことをおすすめします。

