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8月報告と様式98を総点検――入院料減算を防ぐベースアップ評価料の期限管理(第6回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

最終回は、今回の疑義解釈その11で、私が一番確認していただきたいテーマです。

ベースアップ評価料の報告と、病院の入院基本料等の減算です。

特に病院の事務長さんは、自院の届出状況をぜひ確認してください。

8月に提出するものは1つではない場合があります

令和8年度診療報酬改定以前からベースアップ評価料等を届け出ていた医療機関等は、令和8年8月に、

令和7年度の賃金改善実績報告書

令和8年度の賃金改善中間報告書

の両方を提出する必要があります。

令和7年度分は改定前の様式、令和8年度分は改定後の様式を使用します。

2つの報告書を1通のメールに添付して提出しても差し支えありません。

「今年度分だけ出せばいいと思っていた」ということがないように確認してください。

4月から賃上げした場合、何と比較する?

ここも少し分かりにくいところです。

令和8年度の中間報告では、6月・7月の賃上げ実績を報告します。

では4月から賃上げを始めていた場合、どこと比べればよいのでしょうか。

令和8年度改定後のベースアップ評価料収入を使って4月から賃上げをした医療機関では、6月に勤務している職員について、

賃金改善前の令和8年3月時点の給与体系を当てはめた基本給等総額

と、

実際の令和8年6月時点の基本給等総額

を比較します。

単純に「3月の給与総額」と「6月の給与総額」を比較するわけではありません。

職員の入退職があれば人数そのものが変わりますから、同じ職員構成に給与体系を当てはめて比較するという発想が重要です。

なお、7月30日に中間報告様式が訂正されていますが、訂正前の様式でも提出可能です。

その場合、該当する医療機関については「5月時点の給与体系」という欄を「3月時点の給与体系」と読み替えます。

後から賃上げ要件を満たしても、自動的に減算は解除されない

ここからが病院にとって非常に重要です。

令和8年4月1日以降に新しく入院ベースアップ評価料の算定を開始した病院で、算定開始時点では必要なベア等の水準を満たしていなかったとします。

その後、給与を引き上げて必要な水準を満たしました。

では、その時点から自動的に入院基本料等の減算がなくなるのでしょうか。

違います。

必要なベア等を実施したうえで、様式98を使って施設基準の届出を行う必要があります。

そして、減算が免除されるのは、届出を行った月の翌月からです。

「賃上げした月までさかのぼって解除」という取扱いではありません。

このタイムラグは、病院経営に直接影響します。

ですから、

「人事担当が賃上げした」

「給与計算は終わった」

だけでは駄目なんですね。

その情報が医事・施設基準担当に届き、必要な届出まで完了しているかを見る必要があります。

外来・在宅(Ⅰ)だけの病院は要注意

そして、今回最も分かりやすく確認されたのがこのケースです。

令和8年3月時点で、

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)だけを届け出ていた病院

が、

令和8年6月以降、入院ベースアップ評価料を届け出ない

場合です。

この病院は、入院基本料等の減算対象になります。

「うちはベースアップ評価料を届け出ています」

だけでは確認として不十分です。

何のベースアップ評価料を届け出ているのかまで見てください。

病院であれば、少なくとも今回、

「令和8年3月31日時点の届出は何だったか」

「現在の入院ベースアップ評価料の届出状況はどうなっているか」

「必要な賃上げ水準を満たしているか」

「様式98の届出が必要なケースでは提出済みか」

を確認しておく必要があります。

また、令和8年度に届け出る場合と令和9年度に届け出る場合では、入院基本料等の減算免除に求められるベア等の水準が異なることも、今回改めて注意喚起されています。

疑義解釈を「院内の業務」に落とし込みましょう

今回の疑義解釈その11を通して感じるのは、診療報酬管理がますます一部署だけでは完結しなくなっているということです。

ベースアップ評価料はその典型です。

給与は人事・総務。

評価料の収入は医事。

賃上げ額と評価料収入の管理は経理。

施設基準の届出は医事や事務長。

これらがつながって初めて、正しく運用できます。

疑義解釈を読んだら、

「これは医事課の話」

で終わらせず、

誰が、何を確認し、いつまでに、どの様式を提出するのか

まで決めてください。

それが今回の疑義解釈その11から、医療機関の皆さんに一番持ち帰っていただきたいポイントです。

なお、歯科については今回、分割抜歯・分離切断を行った歯に対する暫間歯冠補綴装置について、最終補綴物の歯冠修復と同じ考え方で歯数を算定することが示されています。歯科医療機関ではこちらも併せて確認しておきましょう。

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