令和8年7月30日に公表された「疑義解釈その11」では、初診料や施設基準、救急外来、医療安全、療養・就労両立支援、退院時処方に加え、ベースアップ評価料の届出・報告・入院料減算など、医療機関の実務に直結する重要な取扱いが示されました。
本シリーズでは、疑義解釈の内容を単にQ&A順に追うのではなく、「自院では何を確認し、どう対応すればよいのか」という視点から6回に分けて解説します。
特に、施設基準における一時的な人員変動や「常時」の考え方、救急外来の医師配置、ベースアップ評価料の区分変更、8月の賃金改善報告、様式98の提出と入院基本料等の減算は要注意です。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子氏が、医事・総務・人事・経理など複数部署にまたがる対応を、医療現場の目線でわかりやすく整理します。
| タイトル | 概要 |
|---|---|
| 第1回 疑義解釈その11は何を明らかにしたのか――医療機関が最初に確認すべき全体像 | 令和8年7月30日に公表された「疑義解釈その11」の全体像を整理します。初診料や施設基準、救急外来、就労支援、退院時処方から、ベースアップ評価料の届出・報告、入院基本料等の減算まで幅広い内容が示されました。病院・診療所それぞれについて、自院に関係する項目をどう切り分け、何から確認すべきかを解説します。 |
| 第2回 初診料・就労支援・退院時処方――患者の受診経過と「制度の入口」をどう判断するか | コンタクトレンズ診療で再受診した患者の初診料、療養・就労両立支援指導料で必要となる勤務情報、退院時処方の取扱いを取り上げます。「一定期間が空けば初診」「会社から情報をもらえば算定可能」といった単純な判断ではなく、診療の継続性や支援の申出主体、診療報酬上の投薬区分など、制度の入口から判断するポイントを整理します。 |
| 第3回 看護配置と検査体制の施設基準――一時的な人員変動と「常時」の考え方 | 看護・多職種協働加算における一時的な人員変動と、精神科慢性身体合併症管理加算における「一般血液検査が常時行える体制」の考え方を解説します。短期間・一定範囲の人員不足に対する取扱いや、外部委託・翌診療日の検査でも認められるケースを確認し、施設基準を必要以上に厳格に解釈せず、運用実態と記録で管理する重要性を整理します。 |
| 第4回 救急外来と医療安全の連携体制――専任医師の配置とピアレビューの注意点 | 救急外来緊急検査対応加算1の医師配置について、「経験5年以上の医師を常時2名配置する必要があるのか」という疑問を整理します。併せて、特定機能病院間で行う医療安全の相互立入・ピアレビューを、そのまま医療安全対策地域連携加算の連携として扱えるかを解説。「配置要件」と「経験要件」、法令上の取組と診療報酬上の連携を分けて考えることがポイントです。 |
| 第5回 ベースアップ評価料の区分変更――対象職員、複数施設、一度辞退した場合の取扱い | ベースアップ評価料の日常的な届出管理を整理します。対象職員がいなくなった場合の変更届、40歳未満の非常勤医師・歯科医師の取扱い、複数医療機関をまとめて届け出ている場合の職員数や算定実績の判定、一度辞退した後の再届出などを解説します。賃上げの実態だけでなく、人事・給与・医事の情報を連携させて適切に区分管理することが重要です。 |
| 第6回 8月報告と様式98を総点検――入院料減算を防ぐベースアップ評価料の期限管理 | 令和7年度の賃金改善実績報告と令和8年度の中間報告、4月から賃上げした場合の比較方法、修正前様式の取扱いを整理します。さらに、後から賃上げ要件を満たした場合の様式98の届出と減算解除時期、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)のみを届け出ている病院の入院料減算について解説。届出・報告の「提出時期」が病院収入に直結する点を確認します。 |
文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年8月3日
本コラムの内容は、作成日時点の法令・通知・事務連絡等をもとにしています。その後の改正や疑義解釈、追加通知等により、取扱いが変更されている場合がありますので、最新情報もあわせてご確認ください。
