こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、疑義解釈その11の中から、
「コンタクトレンズ診療の初診料」
「療養・就労両立支援指導料」
「退院時処方」
の3つを取り上げます。
一見すると全く別のテーマに見えますよね。
でも、実は共通点があります。
それは、どの時点から診療や制度が始まったと考えるのかという問題です。
コンタクトレンズの処方期間が終わったら初診?
まず、コンタクトレンズ診療です。
例えば3か月分のコンタクトレンズを処方した患者さんが、その後受診せず、しばらく経ってから再び来院したとします。
この場合、
「前回の処方期間が終わったから、一度治癒として、新しく初診料を算定していいのでは?」
と考えたくなるかもしれません。
でも、そこは注意が必要です。
厚生労働省は以前から、コンタクトレンズを装用し続けている場合などには屈折異常そのものが続いているため、機械的に「治癒」「中止」とするのは適切ではないとしてきました。
今回の疑義解釈では、その一方で、処方期間終了後に患者さん自身が診療を中止し、1か月以上経過した後に再受診した場合など、診療経過から見て診療が継続しているとは考えられないケースでは、初診料を算定できると整理されました。
ここで気をつけたいのは、「1か月空いたら自動的に初診」という意味ではないことです。
あくまでも、診療経過を踏まえて判断するということです。
また、同じ医療機関または特別の関係にある医療機関で過去3年間にコンタクトレンズを処方していれば、直近の処方年月日と処方期間をレセプトの摘要欄に記載します。
就労支援は医療機関から始めてはいけない?
次は、療養・就労両立支援指導料です。
ここは制度の趣旨を理解すると分かりやすいと思います。
例えば医師が、
「この患者さんは仕事への配慮が必要そうだから、会社に勤務状況を聞いてみよう」
と考え、患者さんの同意を得て会社へ問い合わせたとします。
会社から正式な文書が返ってきました。
では、その文書をもって療養・就労両立支援指導料の要件を満たすのでしょうか。
今回の答えは「満たさない」です。
この指導料は、患者さんと勤務先が医療機関の支援を必要として、医療機関に支援を求めるところから始まる制度だからです。
したがって、患者さんと勤務先が自発的に共同して作成した勤務情報の文書を、患者さんから医療機関へ提出してもらう必要があります。
患者さん自身が文書を作成し、事業者が確認したものでも構いません。
つまり、書類の中身だけでなく、誰から支援が始まったのかまで見られるということですね。
退院時処方は「入院中」の投薬
もう一つ、退院時処方です。
令和8年度改定では、栄養保持を目的とした医薬品について、外来患者への投薬に一定の算定制限があります。
そこで問題になるのが、
「退院するときにもらった薬は、飲むのは退院後なのだから外来扱いでは?」
という疑問です。
今回、ここも明確になりました。
退院時の投薬については、実際にいつ服用するかにかかわらず、入院患者に対する投薬として取り扱います。
したがって、退院時処方を受けた患者さんは、この規定の「入院中の患者以外の患者」には該当しません。
今回の3つに共通するのは、文言だけを切り取らないことです。
初診料なら「診療が本当に継続しているのか」。
就労支援なら「誰から支援が始まったのか」。
退院時処方なら「診療報酬上、どの診療期間の投薬として扱うのか」。
算定に迷ったときは、制度の入口までさかのぼって考えてみてください。

