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疑義解釈その11は何を明らかにしたのか――医療機関が最初に確認すべき全体像(第1回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

令和8年7月30日、厚生労働省から「疑義解釈資料の送付について(その11)」が公表されました。

今回の資料は全部で11ページ。医科が7問、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料関係が10問、歯科が1問です。

「18問なら、それほど大きな資料ではないですね」と思われるかもしれません。

ところが、内容を見てみると、なかなか重要です。

特に病院については、ベースアップ評価料をどう届け出ているかによって、入院基本料等の減算につながる可能性があることが、かなり明確に示されました。

今回は、まず全体像から見ていきましょう。

医科は「現場で迷いやすい解釈」が中心

医科の7問を見ると、テーマはかなり幅広いです。

コンタクトレンズ診療の初診料、看護・多職種協働加算、精神科慢性身体合併症管理加算、医療安全対策地域連携加算、救急外来緊急検査対応加算1、療養・就労両立支援指導料、そして退院時処方です。

共通しているのは、

「通知を読んだけれど、この場合はどうなるの?」

という現場の疑問への回答です。

例えば、精神科慢性身体合併症管理加算では「一般血液検査が常時行える体制」が要件になっています。

「常時ということは、24時間365日、その場で血液検査の結果が出ないといけないのでは?」

と読めそうですよね。

今回の回答では、外部検査機関への委託で翌営業日に結果が出る体制や、診療時間外に採取した検体を翌診療日に検査する体制でも要件を満たす、と整理されました。

つまり、言葉だけを必要以上に厳格に解釈するのではなく、制度が求めている体制の実質を見る必要があるということです。

一方、ベースアップ評価料は「手続き」が非常に重要

今回、私が特に注意していただきたいと思っているのが、後半のベースアップ評価料です。

対象職員がいなくなったらどうするのか。

職員数が変わった場合、区分変更が必要なのか。

一度届出を辞退してから、もう一度届け出ることはできるのか。

8月には何を報告するのか。

そして、病院の入院基本料等の減算をどう考えるのか。

このあたりがまとめて整理されています。

ここで大事なのは、「ちゃんと賃上げをしているから大丈夫」だけでは済まないということです。

診療報酬の世界では、実態だけでなく、届出、様式、提出時期まで含めて要件になります。

後から必要な賃上げ水準を達成したとしても、様式98を提出しなければ、入院基本料等の減算が解除される時期が遅くなる可能性があります。

今回の疑義解釈では、一定のベア等を実施した場合、様式98を用いて届け出たその月の翌月から減算を免除すると明記されています。

まず自院に関係する項目を切り分けましょう

疑義解釈が出るたびに、最初から最後まで全部を読んで「これはうちに関係あるかな」と考えるのは大変です。

今回であれば、まず病院か診療所かを分ける。

次に、対象となる加算や評価料を算定しているかを見る。

そして病院では、ベースアップ評価料と入院基本料等の減算について最優先で確認する。

この順番で十分です。

今回のシリーズでは、次回から、

「患者ごとの算定判断」

「人員配置や検査体制などの施設基準」

「救急・医療安全」

「ベースアップ評価料」

「8月報告・様式98・入院基本料等の減算」

という順番で整理していきたいと思います。

疑義解釈は、読んで終わりではありません。

自院の現在の届出・運用と照らし合わせて初めて意味があります。

まずは今回、自院がどの項目に該当するのかを確認するところから始めてみてください。

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