本シリーズでは、医療機関で働く職員に求められる「身だしなみ」を、単なる服装やおしゃれのルールではなく、患者さんに安心感と信頼感を与えるための準備として解説します。
「おしゃれ」と「身だしなみ」の違いから、清潔感、表情、姿勢、髪型、メイク、ひげ、ネイル、香りへの配慮、受付での私語やスマートフォンの扱いなど、患者さんから見える職員の姿と振る舞いを具体的に取り上げます。また、身だしなみの乱れが小さな不信感を生み、クレームやカスタマーハラスメントのきっかけになり得ることも整理します。最終回では、身だしなみを職員個人の常識や判断に任せず、目的の共有、写真付き基準、チェックリスト、朝礼での確認、管理者による手本など、医療機関全体の文化として定着させる方法を紹介します。
患者さんを大切にする気持ちを、日々の見た目と行動に表すための実践講座です。
| タイトル | 概要 |
|---|---|
| 第1回 「おしゃれ」と「身だしなみ」は違う――患者さん目線で考える第一歩 | 「おしゃれ」は自分の好みや個性を表現するものですが、「身だしなみ」は患者さんに安心して接していただくために自分を整えることです。医療の専門性が見えにくい患者さんは、職員の表情や服装、姿勢、話し方などから医療機関の印象を判断します。「自分がよいと思うか」ではなく、「患者さんが安心できるか」を基準に考える、医療機関の身だしなみの基本を解説します。 |
| 第2回 第一印象は一瞬で決まる――清潔感・表情・姿勢で安心感は変わる | 患者さんとの出会いは、受付で職員が顔を上げて挨拶する瞬間から始まっています。穏やかな表情、聞き取りやすい声、相手へ体を向けた姿勢は、患者さんの緊張を和らげます。一方、腕組みや肘つき、猫背、パソコンを見たままの対応は、意図せず冷たい印象を与えます。制服のシワや汚れ、靴、名札、ポケットの中まで含め、安心感につながる第一印象の整え方を紹介します。 |
| 第3回 髪型・メイク・ひげ・香り――自分では気づきにくい身だしなみの落とし穴 | 髪を何度もかき上げる仕草、目にかかる前髪、濃すぎるメイク、手入れされていないひげ、長い爪や付け爪などは、清潔感だけでなく医療安全や感染対策にも関係します。また、香水や柔軟剤の香り、口臭、体臭、たばこ臭は、本人が気づかないまま患者さんの負担になることがあります。個人の好みではなく、安全性、衛生面、患者さんの安心感を基準に、具体的な注意点を整理します。 |
| 第4回 身だしなみは服装だけではない――医療人としての品格は行動に表れる | 医療機関の身だしなみには、服装だけでなく日常の行動や振る舞いも含まれます。受付での私語、勤務中の私物スマートフォン、カウンター上の私物や書類、職員同士の強い言葉遣いなどは、患者さんに不安や不信感を与えることがあります。足音や物を置く音、ため息といった無意識の動作にも注意が必要です。患者さんの位置から職場を見直し、医療人としての品格を行動で示す方法を考えます。 |
| 第5回 身だしなみはクレーム予防の第一歩――患者さんに「隙」を与えない職場づくり | 身だしなみを整えるだけですべてのクレームを防げるわけではありませんが、私語、スマートフォン、だらしない姿勢などの小さな違和感は、患者さんの不満を大きくするきっかけになります。折り目正しい身だしなみと落ち着いた振る舞いは、「組織としてきちんと対応している」という印象につながります。カスタマーハラスメントにも、感情的にならず「毅然として丁寧」に対応するための土台を解説します。 |
| 第6回 身だしなみを「個人任せ」にしない――医療機関全体で続ける仕組みづくり | 身だしなみを「各自の常識」に任せると、職員によって判断が異なり、指導する側とされる側の双方に不満が生じます。患者さんの安心、医療安全、感染対策という目的を共有し、写真付きの基準、短いチェックリスト、朝礼での確認、新人教育などを取り入れることが重要です。指導は人前で注意するのではなく、個別に事情を聞き、改善を支援します。管理者が手本を示し、職場の文化として定着させる方法を紹介します。 |
文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年7月28日
本コラムの内容は、作成日時点の法令・通知・事務連絡等をもとにしています。その後の改正や疑義解釈、追加通知等により、取扱いが変更されている場合がありますので、最新情報もあわせてご確認ください。
