あなたが現在見ているのは 第一印象は一瞬で決まる――清潔感・表情・姿勢で安心感は変わる(第2回/全6回)

第一印象は一瞬で決まる――清潔感・表情・姿勢で安心感は変わる(第2回/全6回)

→目次に戻る

皆さん、こんにちは。M&Cパートナーコンサルティングのパートナーコンサルタント、長幸美です。

前回は、「おしゃれ」と「身だしなみ」の違いについてお話ししました。

身だしなみは、自分を飾るためではなく、患者さんに安心していただくために自分を整えることです。

今回は、患者さんの第一印象を左右する「清潔感」「表情」「姿勢」について考えてみましょう。

患者さんとの出会いは受付から始まっています

患者さんが医療機関に入って最初に目にするのは、医師ではなく受付職員であることが多いと思います。

受付に入ったとき、職員が顔を上げて、

「おはようございます」

「こんにちは」

と声をかけてくれると、それだけで患者さんは少し安心します。

反対に、職員がパソコンの画面を見たまま返事をしたり、書類を整理しながら無表情で対応したりすると、患者さんは、

「話しかけてよかったのかな」

「迷惑そうにされた」

と感じることがあります。

職員にはそのつもりがなくても、患者さんにはそのように伝わってしまうのです。

患者さんを迎えるときは、まず顔を上げ、相手を見ることが基本です。長い時間見つめる必要はありません。挨拶の瞬間に相手の方へ顔を向けるだけでも、印象は大きく変わります。

表情は言葉より先に伝わります

私たちは、忙しいときほど真剣な表情になります。

仕事に集中しているだけなのですが、患者さんから見ると、怒っているように見えたり、機嫌が悪いように見えたりすることがあります。

特に受付や待合室では、職員の表情が患者さんからよく見えます。

常に満面の笑顔でいる必要はありません。しかし、患者さんと接するときには、少し口角を上げ、穏やかな表情を意識してみてください。

大切なのは、笑顔をつくることだけではありません。

「あなたのお話を聞いています」

「こちらで対応しますので安心してください」

という気持ちを表情に表すことです。

マスクを着用している場合は、口元が見えにくいため、目元の表情や声の調子も大切になります。顔を上げる、少しうなずく、いつもより明瞭に話すといった工夫をしてみましょう。

姿勢には、その人の気持ちが表れます

患者さんと話すときの姿勢にも注意が必要です。

たとえば、腕を組んだまま話を聞く、受付台に肘をつく、椅子に深くもたれかかる、片足に体重をかけて立つ。こうした姿勢は、本人が無意識にしていることが多いものです。

しかし、患者さんには、

「話を聞く気がない」

「上から見られている」

「面倒そうに対応されている」

という印象を与える場合があります。

腕組みは、考え事をしているだけかもしれません。肘をつくのも、疲れているだけかもしれません。それでも、相手には別の意味で伝わる可能性があります。

患者さんと話す際には、体を相手の方へ向け、背筋を軽く伸ばし、手は自然な位置に置きましょう。

猫背で下を向いていると、声も小さくなりがちです。姿勢を整えるだけで、表情が明るくなり、声も相手に届きやすくなります。

制服は「洗濯済み」だけでは不十分です

制服や白衣についても、清潔であることと、清潔に見えることの両方が必要です。

汚れ、シミ、ほつれ、ボタンの外れ、襟元のよれはないでしょうか。ポケットに物を詰め込みすぎて、形が崩れていないでしょうか。

洗濯後の大きなシワも、患者さんには意外とよく見えます。毎回きっちりアイロンをかけることが難しい場合でも、シワになりにくい干し方をする、制服の保管方法を見直す、必要に応じてスチーマーを活用するなど、職場に合った方法を考えましょう。

また、靴も身だしなみの一部です。

白衣がきれいでも、靴が汚れていたり、かかとを踏んでいたりすると、全体の印象が崩れてしまいます。安全面からも、医療現場に適した靴を正しく履くことが重要です。

名札や筆記具にも注意しましょう

患者さんは、職員の名札をよく見ています。

名札が裏返っている、斜めになっている、文字が汚れて読めないといった状態では、きちんとした印象を与えにくくなります。

胸ポケットに入れている筆記具も、多すぎると制服が膨らみ、乱雑に見えることがあります。業務上必要な物を整理し、必要以上に持ち歩かないようにしましょう。

身だしなみは、大きなことを一つ変えるのではなく、小さな部分を一つずつ整えることから始まります。

長さんのワンポイントアドバイス

挨拶をするときは、言葉を発する前に、相手へ顔を向けてみてください。

同じ「おはようございます」でも、パソコンを見たまま言うのと、患者さんの方を向いて言うのとでは、伝わり方がまったく違います。

顔を上げる、体を向ける、穏やかな表情をつくる。この三つを意識するだけでも、患者さんの安心感は高まります。

今日からできるチェック

□ 患者さんが来たら、顔を上げて挨拶している
□ 穏やかな表情と、聞き取りやすい声を意識している
□ 腕組み、肘つき、猫背になっていない
□ 制服のシワ、汚れ、ほつれを確認している
□ 靴、名札、ポケットの中まで整えている

次回は、髪型、メイク、ひげ、ネイル、香りなど、自分では気づきにくい身だしなみのポイントについてお話しします。

→目次に戻る