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シャントトラブル対応は“連携の見える化”へ――紹介先、診療情報提供、算定要件の整理(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、透析医療に欠かせない「シャントトラブル」についてお話しします。

血液透析を続けるうえで、シャントは患者さんの命綱です。

シャントが狭窄する。

閉塞する。

穿刺が難しくなる。

血流が悪くなる。

こうしたトラブルは、透析施設では日常的に起こり得ます。

令和8年度診療報酬改定では、腎代替療法診療体制充実加算の施設基準の中に、シャントトラブル時の連携体制が入っています。

具体的には、透析シャント閉塞等により経皮的シャント拡張術・血栓除去術等の治療が必要な場合、自院で治療を行う場合を除き、治療を行う他の保険医療機関と事前に連携し、必要に応じて診療情報を提供する体制が求められています。

ここで大切なのは、「実際には紹介しているから大丈夫」ではなく、連携体制を見える形にしておくことです。

どの医療機関に紹介するのか。

平日の日中はどこか。

夜間・休日はどうするのか。

緊急時の連絡先はどこか。

紹介状には何を書くのか。

シャントエコーの結果は添付するのか。

返書は誰が確認するのか。

患者さんへの説明は誰が行うのか。

この流れを院内で共有しておく必要があります。

また、今回の改定では、K616-4経皮的シャント拡張術・血栓除去術そのものの評価も見直されています。

初回について、透析シャント閉塞または高度狭窄の場合は12,000点、その他の場合は9,840点とされました。高度狭窄については、超音波検査でシャント血流量が400ml以下、または血管抵抗指数、いわゆるRIが0.6以上の場合などが示されています。

つまり、同じシャント拡張術でも、閉塞や高度狭窄かどうかによって点数が変わります。

そして、「イ」を算定する場合には、画像所見等の医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載することが求められています。

ここは、レセプト実務でも注意が必要です。

医師や検査担当者が、シャント血流量やRIを把握していても、その情報がレセプト部門に伝わらなければ、適切な請求につながりません。

逆に、医学的根拠が不十分なまま高い点数で請求してしまうと、返戻や査定のリスクがあります。

そのため、シャント治療を行う医療機関では、
「閉塞か」
「高度狭窄か」
「その他か」
を判断するための記録整備が必要です。

シャント治療を自院で行わない透析施設でも、関係ありませんとは言えません。

患者さんを紹介する側として、どのような情報を紹介先に渡すかが重要になります。

直近の透析状況。

穿刺困難の有無。

血流不良の状況。

シャント音の変化。

シャントエコーの結果。

抗凝固薬の使用状況。

感染兆候の有無。

こうした情報が紹介先に伝わると、患者さんの治療はスムーズになります。

事務長さんには、シャントトラブル時の院内フローを作ることをおすすめします。

現場任せにすると、担当者によって対応が変わります。

「この患者さんはどこに紹介するのか」
「紹介状は誰が作るのか」
「予約は誰が取るのか」
「患者さんへの説明は誰がするのか」
「診療情報提供料の算定はどう確認するのか」
こうした流れを決めておくと、現場も事務も動きやすくなります。

今回の改定は、シャントトラブルを単なる手技の問題ではなく、透析医療の安全管理と地域連携の問題として見ていると考えられます。

透析患者さんにとって、シャントトラブルは大きな不安です。

だからこそ、医療機関側が、いざというときの連携先と手順を明確にしておくことが大切です。

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