こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
第269回の資料編の最終回は、定期巡回・小多機・看多機に共通する、住まいの形態と報酬の論点を取り上げます。
あわせて、この回で具体的な対応案が示された項目と、別のテーマの議論に引き継がれる項目を整理しましょう。資料を読み終えた段階で、何が分かり、何がまだ検討中なのかを押さえるためです。
同じ建物へのサービス提供には、効率性の違いがあります
資料1〜3には、利用者の居住場所やサービスの提供形態を踏まえ、報酬の在り方をどう考えるかという論点があります。
背景にあるのは、同じ建物などに住む利用者にサービスを提供する場合、効率的に提供できるという考え方です。
例えば、離れた自宅を順番に訪問する場合と、一つの建物の中で複数の利用者に対応する場合では、移動にかかる条件が異なります。この例のような提供上の違いが、報酬を考える際の要素になります。
資料1では、定期巡回の同一建物等の居住者への訪問について、同一建物減算を設けて対応していると説明しています。小多機と看多機の資料でも、同一建物等へのサービス提供の効率性を踏まえた取扱いがあることを示しています。
ただし、三つのサービスで、報酬の仕組みや具体的な取扱いがすべて同じということではありません。
今回は、見直しの具体的な割合までは示されていません
三つの資料は、高齢者住まいでのサービス提供の実態や、事業所経営への影響などを踏まえ、住まいの形態に合わせた提供の在り方をどう考えるかとしています。
ここで重要なのは、効率性だけでなく、実際の提供状況と経営への影響も、検討する要素に含まれていることです。
一方、第269回のこれらのページには、新しい減算率や対象人数などの具体案は示されていません。同一建物への提供について、減算が一律に強化されると結論づけることはできません。
この論点は、高齢者住まいに対するサービス提供の在り方を扱う分科会で説明・議論するとされています。今回の資料は、その検討につながる位置づけです。
対応案が示された項目にも、確定していない内容があります
このシリーズでは、定期巡回の24時間対応、小多機の基本サービス費、看多機の外部訪問入浴、グループホームの地域拠点機能や配置などを見てきました。
これらには、今回の資料で具体的な方向を示す対応案がある項目もあります。しかし、対応案があることと、算定要件や単位数が確定したことは別です。
また、日中の随時訪問に応じる訪問介護の評価や、専門的な看護の相談支援・服薬管理は、それぞれのサービスの議論につながっています。
区域外のサービス提供などは人口減少・サービス需要の変化に応じた提供体制、利用者数の変動に応じた配置は横断的事項、高齢者住まいへの提供は住まいのテーマへと、検討が続く構成です。
各サービスの資料だけを読んで検討が終わったと考えると、後に示される共通事項を見落とす可能性があります。
地域生活を支える機能と、提供条件をあわせて読みます
第269回の資料全体から、私は二つの方向を読み取っています。
一つは、軽度の段階からの支援、相談対応、本人の社会参加など、地域生活を支える実際の機能を、評価の対象として捉えようとしていることです。
もう一つは、人材確保や利用者数の変化、建物や地域の条件を踏まえ、必要なサービスを続けられる仕組みを検討していることです。
この二つは、現場ではつながっています。支援を評価する仕組みと、その支援を提供し続けられる条件の両方を見ることで、今回の資料が理解しやすくなります。
事業所では、関係する論点を一枚にまとめ、「今回の対応案」「今後の議論につながる項目」「確定後に確認する事項」に分けておくとよいでしょう。改定内容を先取りせず、検討の進み方を追うための整理になります。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本稿は第269回の公開資料に基づく解説で、議事録は反映していません。検討段階の内容を含むため、最新の公式資料・通知等はご自身でも確認してください。
出典:資料1・14、17、19ページ、資料2・14、16〜19ページ、資料3・13、15、17ページ、資料4・13、25〜26ページを基に解説を作成。
