こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、看護小規模多機能型居宅介護の入浴サービスに関する論点です。
看多機は、通い・泊まり・訪問介護・訪問看護を組み合わせて利用者を支えます。ただ、必要な支援のすべてを、その事業所の設備や体制で提供できるとは限りません。資料3では、機械浴などの入浴ニーズへの対応が取り上げられています。
入浴の支援が必要でも、設備で対応できない場合があります
資料は、看取り期などで状態が不安定になり、通所や自宅での入浴が難しくなった利用者への対応を課題として示しています。
事業所に機械浴の設備があれば対応できる場合もありますが、スペースなどの事情により、機械浴に対応していない事業所もあります。その場合、利用者の入浴機会を確保するため、外部の訪問入浴介護サービスを利用している実態があります。
掲載された調査では、182事業所のうち、外部の訪問入浴の利用があると回答した割合は3.8%でした。多くの事業所が日常的に使っているとまではいえませんが、実際にその対応が必要となるケースがあることが示されています。
割合の大小だけでなく、必要になったときにどのような仕組みで対応するのか、という点が今回の論点です。
包括報酬の中で、外部サービスの費用を負担しています
資料では、外部の訪問入浴を利用する際、看多機事業所が費用を負担しているケースが示されています。論点の説明には、1回当たり平均11,376.7円という金額が記載されています。
これは掲載された調査に基づく値であり、すべての事業所に共通する費用ではありません。ただ、利用が重なることで、事業所にとって負担となる状況を理解する材料になります。
看多機は、複数のサービスを一体的に提供する包括報酬の仕組みです。そのため、外部サービスを組み合わせる場合には、利用者に必要な支援を確保することと、報酬上どのように費用を扱うかを、あわせて考える必要があります。
資料が示しているのも、サービス提供量、利用者の納得感、事業所の負担感のバランスという視点です。
対応案は、併算定の見直しと報酬調整を組み合わせています
今回の対応案では、機械浴による入浴サービスを提供できない事業所の場合、併算定可能なサービスを見直すことが提案されています。
さらに、費用のすべてを看多機事業所の負担とするのではなく、療養通所介護等の減算方法を参考に、利用者の状態像に応じて報酬を調整してはどうかとしています。
ここで確認したいのは、外部の訪問入浴を利用できる仕組みと、看多機側の報酬の扱いが、一組の検討になっていることです。
外部サービスの報酬をそのまま追加で算定できると決まったわけでも、看多機の報酬に一律の減算が決まったわけでもありません。
参考資料には療養通所介護の減算が掲載されていますが、その割合を、そのまま看多機に適用するという提案ではありません。具体的な調整方法や対象条件は、今後確認すべき内容です。
必要なサービスを組み合わせるための検討です
私は、この論点は、包括報酬のサービスを利用している方にも、状態に応じて必要な外部サービスを組み合わせられるようにする検討だと読んでいます。その際、利用者・看多機・外部事業所の間で、費用と提供する機能をどう整理するかが重要になります。
事業所では、自事業所で対応できない入浴ニーズがあったか、その際にどのような方法と費用で対応したかを確認してみてください。具体的な事例があると、今後の制度設計を理解しやすくなります。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本稿は第269回の公開資料に基づく解説で、議事録は反映していません。検討段階の内容を含むため、最新の公式資料・通知等はご自身でも確認してください。
