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1.2人換算・1.3人換算の考え方――ICTを導入すればよい、では足りない(第4回/全6回)

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みなさん、こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第4回は、今回の改定で多くの医療機関が気にされている、医師事務作業補助者の1.2人換算・1.3人換算についてお話しします。

この部分は、誤解されやすいところです。

「生成AIを入れたら、医師事務作業補助者1人が1.2人になる」
「さらに音声入力やRPAを入れたら1.3人になる」
というように、かなり単純化して受け止められていることがあります。

でも、実務上は、もう少し丁寧に見る必要があります。

厚労省資料では、生成AIを活用した文書作成補助システムを含むICT機器等を、医療機関内で組織的に導入し、大半の医師および医師事務作業補助者が日常的に活用し、業務の効率化が顕著に図られていることが求められています。

ここで重要なのは、3つです。

1つ目は、組織的に導入していることです。

一部の医師が個人的にAIツールを使っている、というだけでは弱いです。

病院として導入している。
対象業務を決めている。
利用ルールがある。
医師事務作業補助者が関与している。
研修をしている。
利用実績を確認できる。

このような形が必要になります。

2つ目は、大半の医師および医師事務作業補助者が日常的に活用していることです。

つまり、システムがあるだけでは足りません。

導入したけれど、実際には一部の人しか使っていない。
医師は使っているが、医師事務作業補助者は使っていない。
医師事務作業補助者は使っているが、医師の確認フローが決まっていない。

こうした状態では、組織的な業務効率化とは言いにくくなります。

3つ目は、業務の効率化が顕著に図られていることです。

ここも大事です。

「契約しました」
「導入しました」
「研修しました」
だけではなく、実際に医師の事務作業が減っているのか、医師事務作業補助者の業務が効率化しているのか、文書作成の時間が短くなっているのかを説明できる必要があります。

では、1.2人換算はどう考えるのでしょうか。

要件を満たす場合には、医師事務作業補助者1人を1.2人として配置人数に算入できるとされています。

さらに、生成AIによる文書作成補助に加えて、医療文書用の音声入力システム、RPA、10種類以上の患者向け説明動画のうち少なくとも1種類以上を広く活用している場合には、1人を1.3人として算入できるとされています。

ここで注意したいのは、1.3人換算は、生成AIに加えて、追加のICT活用が必要だということです。

たとえば、生成AIだけを導入していても、それだけで1.3人換算になるわけではありません。

音声入力、RPA、患者向け説明動画のいずれかを、医療機関内で広く活用していることが必要です。

また、ICT機器を導入し、活用しているとして届け出たものについては、配置される全ての医師事務作業補助者に対して、操作方法および生成AIの適切な利用に関する研修を実施し、常時ICT機器を用いて医師事務業務を遂行できる体制を整備していることも求められています。

ですから、事務長・医事課長としては、次の確認が必要です。

どのICTを導入するのか。
どの業務に使うのか。
医師と医師事務作業補助者のどちらが使うのか。
誰が研修を受けたのか。
利用実績はどのように確認するのか。
医師の負担軽減効果をどう測るのか。
届出後も継続的に使われる仕組みがあるのか。

特に中小病院では、いきなり1.3人換算を目指すより、まず1.2人換算に向けて、生成AIによる文書作成補助をきちんと運用する方が現実的な場合もあります。

一方で、音声入力や患者向け説明動画は、比較的導入しやすい医療機関もあります。

RPAは、対象業務の整理が必要ですが、定型入力が多い病院では効果が出やすいです。

大切なのは、自院の業務実態に合ったICTを選ぶことです。

加算のためだけにツールを選ぶと、現場に定着しません。

逆に、現場の困りごとから選ぶと、加算対応にもつながりやすくなります。

第5回では、音声入力、RPA、患者向け説明動画をどのように組み合わせるか、実務目線で考えていきます。

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