こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
第4回は、包括期充実体制加算の実績要件についてお話しします。
この加算は、体制を整えているだけでは不十分です。
実際に、地域の高齢者救急、在宅患者さん、介護施設入所者さんを受け入れているかどうかが見られます。
厚生労働省資料では、後方支援の実績として、まず自宅等からの緊急入院が直近3か月で15件以上であることが示されています。さらに、在宅患者緊急入院診療加算1から3の算定回数が直近1年で合わせて12回以上、または協力対象施設入所者入院加算1・2の算定回数が直近1年で合わせて4回以上という要件も示されています。
この数字を見ると、ある程度、地域から患者さんを受けている病院でないと難しいことが分かります。
ここで事務長さんにお願いしたいのは、まず医事データと入退院データを使って、現状を見える化することです。
自宅からの緊急入院は何件あるのか。
介護施設からの入院は何件あるのか。
在宅患者緊急入院診療加算を算定しているか。
協力対象施設入所者入院加算を算定しているか。
そもそも、対象になりそうな患者さんがいても算定できていないケースはないか。
この確認は、医事課だけで完結しません。
地域連携室、病棟看護師、外来、当直医、在宅部門が関係します。
たとえば、介護施設から入院した患者さんであっても、入院経路の記録が曖昧だと、後から集計しにくくなります。
救急搬送なのか、施設からの直接相談なのか、在宅医からの紹介なのか、急性期病院からの転院なのか。
この入口情報をきちんと残しておくことが大切です。
また、加算の算定漏れも起こりやすいところです。
現場では「施設から来た患者さん」と認識していても、医事課に必要な情報が届いていなければ、協力対象施設入所者入院加算の算定につながりません。
在宅患者さんの緊急入院でも、どの医療機関が在宅管理をしているのか、どういう経緯で入院したのかが見えないと、算定判断が難しくなります。
ですから、包括期充実体制加算を目指す病院では、患者さんの入口を整理する必要があります。
入院受付時に、
「自宅からの緊急入院か」
「介護施設からの入院か」
「在宅医からの紹介か」
「救急搬送か」
「急性期病院からの下り搬送か」
を確認できるようにする。
そして、その情報が医事課、地域連携室、病棟に共有されるようにする。
ここまでできると、実績要件の確認がしやすくなります。
実績要件は、単に過去の数字を見るものではありません。
自院が地域の患者さんをどのように受けているかを見直すための指標です。
もし件数が足りない場合は、すぐに「無理だ」と判断するのではなく、なぜ足りないのかを見てください。
受入れ自体が少ないのか。
受けているけれど記録が残っていないのか。
対象加算を算定していないのか。
施設や在宅医から相談されるルートが弱いのか。
救急隊や急性期病院に、自院の受入れ機能が伝わっていないのか。
原因によって、対策は変わります。
包括期充実体制加算の準備は、実績の集計から始まります。
まずは直近3か月、直近1年のデータを出して、自院の現在地を確認する。
そこから、地域にどう働きかけるかを考えていきましょう。

