あなたが現在見ているのは 令和8年度ベースアップ評価料の届出と報告。届出は簡素化、でも記録管理は重要です(第4回/全5回)

令和8年度ベースアップ評価料の届出と報告。届出は簡素化、でも記録管理は重要です(第4回/全5回)

→目次に戻る

こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度ベースアップ評価料の「届出」と「報告」についてお話しします。

今回の改定では、ベースアップ評価料の届出に関する情報が、厚生労働省の特設ページにまとめられています。届出様式、様式の記載方法、説明動画なども掲載されており、医療機関が確認しながら準備できるようになっています。

特に大事なのは、令和8年6月から算定するための届出です。厚生労働省の特設ページでは、これまで届け出ていた医療機関も含め、全ての医療機関は5月中に届出が必要と案内されています。また、近畿厚生局の案内では、令和8年6月1日から算定する場合の提出期限は、令和8年5月7日から6月1日必着とされています。期限を過ぎた場合は、7月以降の算定になるため注意が必要です。

ここは、実務上とても重要です。

「以前から算定しているから、そのままでよい」と思っていると、届出漏れになる可能性があります。今回の案内では、これまで届け出ていた医療機関も含めて、改めて5月中の届出が必要とされていますので、必ず確認してください。

一方で、届出の入口は以前より分かりやすくなっています。外来中心の診療所で、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)を中心に届け出る場合は、厚生労働省が示している様式に沿って手続きを進めることになります。

ただし、ここで気をつけたいのは、「届出が簡単になったから、管理も簡単でよい」というわけではないことです。

ベースアップ評価料は、職員さんの賃金改善に使う制度です。そのため、算定後には、実際に賃金改善を行ったかどうかを説明できる状態にしておく必要があります。厚生労働省の特設ページでも、各年8月に提出する賃金改善実績報告書について案内されています。

実務では、給与台帳、賞与台帳、賃金改定通知、就業規則や賃金規程の変更資料、社会保険料の事業主負担分の計算資料などを整理しておくことが大切です。

評価料収入がいくらあったのか。
そのうち、いくらを職員さんの給与・賞与・法定福利費などに充てたのか。
その根拠資料はどこにあるのか。

こうしたことを、後から説明できるようにしておく必要があります。

特に、基本給を上げるのか、手当で対応するのか、賞与で調整するのかによって、給与計算や社会保険料への影響が変わります。院内だけで判断するのが難しい場合は、顧問社労士や顧問税理士とも連携して進めると安心です。

今回の制度対応で大切なのは、「届出を出して終わり」にしないことです。

届出を出す。
算定する。
賃金改善を実行する。
記録を残す。
報告する。

この一連の流れを、院内でしっかり管理していただきたいと思います。

→目次に戻る