❶ 保険診療で会社補助がある場合に対し、当院では自費のプランを設定していないため自由診療にて10割の請求をしています。
ただ、患者様の依頼で健康診断に当たる検査を自由診療で、対象以外の検査を保険でとの申し出がありましたが、その場合同日に保険診療と自由診療の算定は可能でしょうか。
❷ また、自由診療で細胞診を行い、後日、結果説明を保険診療で算定を行う事は可能でしょうか。
保険診療と自由診療について、全国保険医団体連合会の「保険診療の手引」P18に「現在、一連の診療行為の中で保険診療と自由診療の混在は認められていない。」とあります。
❶ 全国保険医団体連合会の「保険診療の手引」P19に以下のようにあります。
1 保険診療で血液検査をした際に、患者から併せて血液型も調べてほしいと依頼され、血液型の検査費用を自費徴収する。
適否:○
解説:混合診療に該当しない。保険診療の対象疾患と関係のない検査であれば、その検査費用を徴収することは差し支えない。
2 保険診療で治療中の患者から公的な健康診断を併せて実施してほしいと依頼され、保険診療と健康診断を同時に行う。
適否:○
解説:混合診療に該当しない。患者の自発的な意思で健康診断を希望したものであれば差し支えない。なお、この場合の健康診断に係る請求の範囲・内容と重複する点数は別に保険請求できない。
このことから、健康診断以外の検査を患者が希望された場合、混合診療とみなされず、保険診療と自由診療の組み合わせは、認められると考えます。
❷ 初再診料に関する通則(2)に以下のようにあります。
(2)初診または再診が行われた同一日であるか否かにかかわらず、当該初診または再診に附随する一連の行為とみなされる次に掲げる場合には、これらに要する費用は当該初診料又は再診料若しくは外来診療料に含まれ別に再診料又は外来診療料は算定できない。
ア 初診時又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来た場合
(以下略)
このことから、自由診療における検査において結果説明のみであれば、保険請求は出来ないと考えます。ただし、治療が開始され処方や他の検査を実施するならば、保険請求は出来ると考えます。
能見 将志(のうみ まさし)
(株)M&Cパートナーコンサルティング 専門研究員
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。
診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。