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診療報酬算定の疑問 短期滞在手術等基本料 3 について

 別の疾患で入院中の患者に対して、関節鏡下手根管開放手術を行いました。関節鏡下手根管開放手術は短期滞在手術等基本料3に該当するため、5日間は短期滞在手術等基本料3で算定する必要があると思いますが、全く別の疾患で入院しているため、いつからいつまでを短期滞在手術等基本料3で計算するべきか分からないです。

 8/1~31まで地域包括ケア病棟に入院
・8/15に関節鏡下手根管開放手術施行した場合、

8/1~8/13まで地域包括ケア病棟入院料
8/14~8/18まで短期滞在手術等基本料3
8/19~8/31まで地域包括ケア病棟入院料

 短期滞在手術等基本料の通知(4)に「DPC対象病院及び診療所を除く保険医療機関において、入院した日から起算して5日以内に以下の手術等を行う場合には、特に規定する場合を除き、全ての患者について短期滞在手術等基本料3を算定する。」とあります。よって、今回のケースでは、入院の要因が別疾患であり、入院日から5日を経過して手術を行っていることから、短期滞在手術等基本料の要件には該当せず、手術料は出来高で算定し、地域包括ケア病棟入院料を31日間算定して良いと考えます。

短期滞在手術等基本料3

 別の疾患で入院し、その後に対象の手術・検査を実施した場合の取り扱いはどうなるのか。

 次の取り扱いとなる。
①入院5日目までに退院した場合は当該基本料を算定する。
②入院5日目までに当該手術・検査を実施したが退院が6日目以降になった場合は、5日目までは当該基本料を、6日目以降は出来高で算定する。
③6日目以降に対象手術・検査を実施した場合は、すべて出来高で算定する。

(参考資料:医学通信社「診療点数早見表2022年4月版」P230より)

能見 将志(のうみ まさし)

(株)M&Cパートナーコンサルティング 専門研究員
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。
診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。