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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.64「職員の「五月病」対策~クリニックの現場を守るために~③」

 さて、これまで五月病の原因や対策について色々とご紹介してきましたが、最後に一番大切なことをお伝えしますね。それは、事務長の皆さまが「気象予報士」のように、職場の空気を読んで、嵐の前に気づける存在であるということです。

「最近、少し疲れているのかな?」「なんだか、いつもより静かだな」といった、ほんの些細な変化にアンテナを張り、早めに声をかけてあげることが何よりも大切です。その際、「どうしたの?何かあった?」と問い詰めるのではなく、「何かあったらいつでも頼ってね」「無理しないでね」といった、安心できる優しい一言を添えるように心がけましょう。

忙しい日常の中で、つい見過ごしてしまいがちな職員の皆さんの小さな変化。でも、その小さな変化に気づき、そっと寄り添う心配りや声かけが、実は職員のメンタルを守る大きな力になるのです。「いつも通り」を当たり前と思わず、「少しの変化」に敏感であることが、五月病対策の第一歩です。

そして、皆さんが日々の声かけで迷わないように、すぐに使える「声かけチェックリスト」をご用意しました!職員の皆さんの様々な状況に合わせて、どんな言葉をかければ良いのか、具体的なヒントが満載です。


🌿五月病予防のための「一言チェックリスト」🌿
① 表情・雰囲気の変化に気づいたとき
✅ 最近、ちょっと疲れてる?無理してない?
✅ 今日は少し元気がないように見えるけど、大丈夫?
✅ いつもと様子が違う気がするけど、何かあったかな?
② 会話や報告が減ったとき
✅ 最近、話す時間少なかったね。今どう?
✅ またよかったら話そうね、いつでも聞くよ。
✅ 何か気になることがあったら、いつでも言ってね。
③ 失敗や不安を感じていそうなとき
✅ 失敗は誰にでもあるよ。次にどうするかが大事。
✅ 最初はうまくいかないこともあるから、気にしすぎないで。
✅ できてるところ、ちゃんとあるから安心して。
④ 小さな頑張りを見つけたとき
✅ あの対応、落ち着いていてすごくよかったよ。
✅ この前、フォローありがとう。助かってるよ。
✅ 最近、慣れてきた感じが伝わってくるね。うれしいよ。
⑤ 自分が支える姿勢を見せたいとき
✅ 何かあったら、遠慮せずに頼ってね。
✅ 仕事のことでも、それ以外のことでも、話していいからね。
✅ 一緒にやっていこう。無理はしないでね。


 ぜひこのチェックリストを参考に、温かいコミュニケーションを心がけて、五月病知らずの、笑顔あふれる職場をつくっていきましょう。

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。