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厚生局の指導等及び医療監視への対応策「療養担当規則や診療報酬上必要となっている「院内掲示」について②」

 今月も先月に引き続いて、療養担当規則や診療報酬上必要となっている「院内掲示」についてお伝え致します。

  • 明細書の発行状況に関する事項

療養担当規則及び療養担当基準に規定する明細書発行状況に関する事項について、院内掲示が必要であることが定められています。ただし、各医療機関の状況により、掲示内容は異なります。

(1)電子請求を行い、明細書を発行している場合
 ・明細書を発行していること
 ・明細書の発行を希望しない患者には、その意向を的確に確認できるように、例えば受付に「明細書を希望しない場合には申し出てください」等と掲示

(2)電子請求を行っているが、明細書発行義務免除の正当な理由に該当する場合
 ・正当な理由
 ・希望があれば明細書を発行すること
 ・発行に際しての費用徴収の有無
 ・費用徴収がある場合はその金額
 ・徴収金額が1,000円を超える場合には料金設定の根拠
 ・レセコンまたは自動入金機の改修時期

(3)紙レセプトで請求を行い、明細書を発行していない場合
 ・明細書の発行体制がないため、発行していない旨

(4)紙レセプトで請求を行い、求めに応じて明細書を発行している場合
 ・希望者のみに明細書を発行すること
 ・発行に際しての費用徴収の有無
 ・費用徴収がある場合はその金額

  • 保険外負担に関する事項(評価療養を除いて消費税を含んだ総額表示)

 ・特別の療養環境の提供、180日超入院患者の場合(厚生労働大臣が定める状態にある患者を除く)等、評価療養、療養の給付と直接関係ないサービス

(例)

当院では、以下の項目について、その使用量、利用回数に応じた実費の負担をお願いします。

 ・診断書料  1通につき  ○○○円

 ・理髪代   1回につき  ○○○円

 ・紙おむつ代 1枚につき   ○○円

  • 医療法第14条の2で院内掲示が義務付けられている項目
    ・管理者の氏名
    ・診療に従事する医師または歯科医師の氏名
    ・医師または歯科医師の診療日及び診療時間

  • 医療法施行規則で、エックス線診療室等の放射線取扱施設につき、標示や掲示が義務付けられているもの

 ・エックス線診療室である旨の標示(医療法施行規則第30条の4)

 ・エックス線診療室の目につきやすい場所に放射線障害の防止に必要な注意事項の掲示(医療法施行規則第30条の13)

 ・エックス線診療室に管理区域である旨の標示(医療法施行規則第30条の16)

 ・エックス線装置を使用しているときは、エックス線診療室の出入口にその旨の表示(医療法施行規則第30条の20の2)

能見 将志(のうみ まさし)

診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。