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HOSPITALITY 〜長先生の接遇レッスン〜 VOL.38ビジネス文書について

寄り添うとはビジネスシーンでは、「心情的に歩み寄ること」。

最近時々相談を受けるものに、「最近の若い方は、文書の書き方を知らない」というものがあります。電話や敬語の使い方とともに、相談が増えてきているものの一つです。 

LINEなどSNSの発達により、会話形式のやり取りが増えてしまい、「手紙を書く」機会が減って、基本的ルールがわかっていない・・・というもののようです。 

ビジネス文書にはフレームが決まっていますので、目的に応じて基本ルールに沿って活用していきましょう!院内向けの文書でも活用できますよ。 

①前付・・・いわゆる「頭書き」です。発信年月日、宛名、発信者名を明記します。 

②本文・・・要件を明確にし、簡潔に記載します。 件名(表題)をはじめに記載し要件を明記します。次に、あいさつ文、主文、末文、結語と続きます。文書送付やイベントの案内の場合は、「別記」(記書き)を添え、明確にします。 

③付記・・・添え書きといわれるものです。付記を書かれる場合は最終結語を入れられるといいでしょう。 

宛名は正式名称を使用します。通称や略字などは失礼になりますから使用してはいけません。部署名・役職名・氏名・敬称の順で記載します。 

二つ目のポイントは役職名と敬称です。役職名は部署名の後、敬称は個人あての場合「様」を使用するのが一般的です。相手様が特定できない場合や送付先が多数の場合は、「〇〇病院御中」若しくは「〇〇委員会 委員各位」となります。 

例えば、「医療法人○○会 ○○病院 地域連携室 室長 〇〇〇〇様」となります。  

先ず、「件名(表題)」で要件を明確にし、「前文」では日頃のあいさつ文を記載します。 

一般的なビジネス文書では、文書の初めは「拝啓」、終わりは「敬具」で締めます。 

相手が目上の方の場合など、「謹啓」「敬白」を使う場合もあります。お悔み文書の場合は、頭書きをつけず、最後に「合掌」で締めくくる場合があります。 

次に、改行して「さて」「ところで」などの起こし言葉を活用して、文書の要旨を記載します。 

具体的な要件については、「別記(記書き)」を活用し、箇条書きにわかりやすく伝えましょう。 

■付記(追記)では、主文に付け加えることがある場合に記載する。 

例えば、発信者と担当者が違う場合などです。クリニックでは院長名で発信しつつ、問い合わせ先は看護師や事務の担当者の場合がありますので、そのような場合に記載されるといいでしょう。 

院内の委員会やセミナーの案内などは、宛名を「各位」とします。「各位」とは、「皆様」「皆さま方」という意味合いで使う敬語表現です。「関係者各位」「担当者各位」という表現になります。企業や団体あての場合は、「御中」という表現になります。「御中」とは「団体の中の皆様へ」という意味がありますので、覚えておきましょう。 

また、書いた文章を「この文章を受け取った相手はどう感じるかな」という視点で、一度読み返してみることをお勧めします。相手が年上の方である場合やお詫び等の文章の場合は、相手が不快にならないように気を付ける必要もあります。ビジネス文書のフレームを使いながら、相手を気遣う言葉を添えるなど、工夫をしてみましょう!

長 幸美(ちょう ゆきみ)

(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。