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2027年度介護報酬改定の出発点――第268回で示された基本認識と五つの視点(第1回/全8回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回から、2027年度、令和9年度の介護報酬改定に向けた介護給付費分科会の資料を読んでいきます。まず取り上げるのは、2026年9月30日に開催された第268回で示された「基本的な視点(案)」です。

この資料は、個々のサービスの単位数を示したものではありません。介護を取り巻く状況をどう捉え、どのような考え方で改定を検討するのかを整理した資料です。

これまでの議論を、改定全体の考え方にまとめた資料です

資料の冒頭では、同年4月以降、各サービスや横断的な課題について9回の議論を行い、関係団体とも3回の意見交換を実施した経緯が説明されています。

その議論を受けて、資料は大きく二つの部分で構成されています。前半が改定の前提となる現状認識、後半が改定に向けた五つの視点です。

前半の現状認識は、経済状況の変化、人口構造の変化、地域で暮らす高齢者の安心という三つのまとまりで整理されています。

まず経済状況です。物価や賃金が上昇する一方、介護サービスは公定価格であり、費用の増加を事業者が自由に価格へ転嫁できません。経営の安定と、職員の処遇改善が必要だとしています。

次に人口構造です。高齢化や人口減少、介護需要の変化は地域ごとに異なり、全国を同じ条件で捉えることは難しくなっています。同時に、働き手の減少に対応する必要もある、という認識です。

三つ目が高齢者の暮らしです。医療と介護の両方を必要とする方、認知症の方、独居の方などが増える中、地域で生活を続けられる体制を整える必要があると説明しています。

五つの視点は、この現状認識からつながっています

後半では、これらの課題を受けて、改定の視点が五つに整理されています。

一つ目は、物価・賃金上昇への対応と処遇改善。二つ目は、人口や需要の変化に応じた提供体制。三つ目は、地域包括ケアの深化。四つ目は、職場環境と生産性を通じた人材確保・サービスの質の向上。そして五つ目が、介護保険制度を安定して続けるための対応です。

ここで押さえたいのは、事業者の経営支援と、制度を支える負担への配慮が、同じ資料に書かれていることです。必要なサービスを維持するための評価と、限られた財源をどう使うかという検討の両方が、改定の対象になっています。

また、資料では2027年度から始まる第10期介護保険事業計画の期間を、2040年を見据えた取組を本格化させる時期と位置づけています。目の前の費用増への対応に加えて、その先の提供体制も考える資料なのですね。

ここから、どのような方向が見えるでしょうか

ここからは、私の読み取りです。

五つの視点を合わせて読むと、今回の改定では、経営、人材、地域の提供体制、サービスの質を関連づけて検討していく方向が見えます。例えば、人員配置の議論があれば、それを人材不足だけの問題として読むのではなく、地域でサービスを続けるための対応なのか、質や安全をどのように確保するのかも確認する必要がありそうです。

ただし、この資料から改定率や個別の増減を判断することはできません。「重要である」「検討する必要がある」という記述と、具体策が決まったこととは区別して読みましょう。

事業者の皆さんは、まず五つの視点のうち、自法人に関係の深いものを確認してみてください。今後の個別資料を読む際の手がかりになります。

次回は、第一の視点である物価・賃金上昇と処遇改善を取り上げます。

第1回 2027年度介護報酬改定の出発点――第268回で示された基本認識と五つの視点の漫画

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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月19日

本稿は第268回分科会の公開資料に基づく資料編です。議事録の内容は反映していません。最新の公式資料・通知等は、ご自身でも確認してください。

出典:厚生労働省・第268回資料1、1~5頁、資料2・概要