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物価・賃金上昇を介護報酬にどう反映するのか――経営安定と処遇改善(第2回/全8回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、第268回資料の第一の視点、物価・賃金上昇への対応と処遇改善を読んでいきます。

事業者にとって関心の高いテーマですが、資料は「費用が増えたから報酬を上げる」という一言で説明しているわけではありません。経営の仕組みと、人材を確保するための環境の両面から、対応の必要性を整理しています。

公定価格では、費用増を自由に価格へ反映できません

資料の前半では、物価や賃金が上がり、介護サービスの提供に必要な経費が増えている状況を説明しています。加えて、他産業でも賃上げが進み、介護現場が厳しい状況にあるとしています。

その際、経営状況を示す材料として、令和7年度介護事業経営概況調査では、全サービスを通じた赤字事業者の割合が約4割であることに触れています。この「約4割」は資料が引用する調査結果であって、すべてのサービスで同じ赤字割合という意味ではありません。

続いて説明されているのが、公定価格の問題です。

介護報酬は制度で定められているため、食材費や光熱費、人件費が増えたからといって、事業者が介護報酬の価格を自由に変更することはできません。資料は、この価格の仕組みを踏まえて、費用増が経営に与える影響へ対応する必要があるとしています。

経営の安定と、職員の処遇改善を一緒に扱っています

後半の第一の視点では、事業者の経営状況と介護分野の賃上げ状況を適切に把握した上で、物価・賃金の上昇を介護報酬へ反映する考え方が示されています。

その目的は、事業者の経営を安定させることと、他職種と比べて見劣りしない処遇を実現し、職員の定着や離職防止につながる環境を整えることです。

ここでは、事業者の収支と職員の賃金が、別々の話として扱われていません。サービスを継続できる経営と、そこで働く人を確保できる処遇の両方が必要だという構成になっています。

一方、物価対応と賃金対応を、基本報酬や加算にどう配分するかは示されていません。処遇改善の対象や配分方法、具体的な単位数も、この資料では確認できません。

「処遇改善が重視されている」という記述から、特定の加算の拡充や、一定額の賃上げが決まったと読み替えないことが大切です。

負担への配慮も、同じ基本認識に書かれています

前半の経済状況を扱う部分には、介護保険が保険料、公費、利用者負担によって支えられていることも書かれています。

つまり、経営支援や賃上げの必要性を認める一方で、その費用を負担する側への配慮も、改定の前提に置いているのです。報酬への反映方法を考える際には、この両面が関わってくることになります。

ここから読み取れる方向性

ここからは、私の読み取りです。

今回の記述では、物価上昇と賃金上昇を、事業者の努力だけで吸収することが難しい課題として捉えている点が重要です。その上で、経営実態や賃上げ状況を確認して評価につなげる方向が示されています。

今後は、どの費用を、どの仕組みで評価するのかが焦点になるでしょう。報酬が増えた場合も、経費増への対応分と処遇改善に関わる部分では、意味が異なる可能性があります。

事業者としては、主要経費と賃金の変化を、利用者数などの変化と合わせて整理しておくとよいと思います。具体案が出たとき、自法人への影響を考える材料になります。

次回は、人口減少と地域差に応じたサービス提供体制を取り上げます。

第2回 物価・賃金上昇を介護報酬にどう反映するのか――経営安定と処遇改善の漫画

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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

原稿作成日:2026年10月19日

本稿は第268回分科会の公開資料に基づく資料編です。議事録の内容は反映していません。最新の公式資料・通知等は、ご自身でも確認してください。

出典:厚生労働省・第268回資料1、1~4頁