リハビリ部門を充実させると、いずれ必ず出てくる問題があります。
「この患者さん、この先どうしよう?」
という問題です。
例えば高齢の患者さん。
最初は自分で通院できていた。
でも少しずつ歩くのが難しくなった。
家族の送迎も難しい。
一方で、身体機能を維持する支援は続けた方がよい。
こうした患者さんは珍しくありません。
「来られなくなったら終わり」ではない
整形外科クリニックは、
「来院できる患者さん」
を中心に診療します。
でも、高齢者は来院が難しくなったところで支援の必要性がなくなるわけではありません。
むしろ、
「家の中で転びそう」
「買い物に行けなくなった」
「外に出なくなった」
といった生活上の問題が大きくなることがあります。
ここで重要になるのが、介護保険サービスとの連携です。
いきなり自院で介護事業を始めなくてよい
「それなら通所リハをやりましょう」
「訪問リハを始めましょう」
という話になることがあります。
でも私は、まず、
地域にどんなサービスがあるのかを知ること
からおすすめしています。
どこに通所リハがあるのか。
訪問リハを提供している事業所はどこか。
どんな利用者さんを受け入れているのか。
送迎範囲はどこまでなのか。
待機はあるのか。
そして、
自院の患者さんを安心してお願いできる事業所はどこなのか。
これを知るだけでも、患者さんへの支援は広がります。
ケアマネジャーは大切な連携相手
医療と介護をつなぐうえで、ケアマネジャーは重要な存在です。
PTが、
「クリニックでは歩けています」
と思っていても、
ケアマネジャーから、
「自宅には段差があって、玄関まで行けません」
「実は最近、買い物には行けていません」
という情報が入ることがあります。
逆にクリニックから、
「膝の状態はこの程度まで回復しています」
「今後はこういう活動を目標にしています」
という情報を伝えることもできます。
医療側が見ている身体機能と、介護側が見ている生活をつなぐ。
これが大切です。
「終了」は支援をやめることではない
外来リハビリは、永遠に同じ頻度で続けるものではありません。
患者さんの状態を確認しながら、
外来リハビリ。
自主トレーニング。
定期診察。
介護保険サービス。
地域の運動の場。
などへ移行していくことになります。
つまり、
リハビリの終了=患者さんとの関係の終了
ではありません。
支援の形を変えることです。
自院で通所・訪問を行うのは、その次
地域を調べた結果、
「通所リハが足りない」
「訪問リハを頼めるところがない」
という状況が本当にあるのであれば、そこで初めて自院での事業化を検討します。
ただし、通所や訪問は、
外来リハビリの空き時間に少し追加する
という程度の話ではありません。
介護保険制度。
人員。
送迎。
移動時間。
運営管理。
医師の関与。
など、別の事業として考える必要があります。
常勤医師1名体制ならなおさらです。
「自院を大きくする」だけが拡大ではない
病院とつながる。
ケアマネジャーとつながる。
通所リハとつながる。
訪問リハとつながる。
必要なときには、また整形外科へ戻ってきてもらう。
これも十分にリハビリ部門の拡大です。
「自院の中を大きくする」のではなく、「患者さんを支えられる範囲を地域へ広げる」。
私は、それが地域密着型の整形外科に合った考え方だと思っています。
次回はいよいよ最終回です。
ここまでの内容を、
「1年間でリハビリ部門をどう育てるか」
というロードマップにまとめてみましょう。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
作成日:2026年9月21日
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