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医師1名でもどこまでできる?――施設基準と「本当のキャパシティ」を考える(第3回/全8回)

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「うちは常勤医師が私1人なので、大きなリハビリ部門は無理ですよね」

そんなご相談もあります。

必ずしもそうではありません。

運動器リハビリテーション料には区分があり、医師やPT・OTなどの人員、専用の機能訓練室などについて、それぞれ施設基準が定められています。

ですから、常勤医師1名だからといって、小規模なリハビリしかできないと決まっているわけではありません。

ただし、ここで注意したいことがあります。

「施設基準を満たせること」と「安全に運営できること」は別です。

まず、自院の現在地を確認する

最初に整理したいのは、

現在届け出ている施設基準。

医師の要件。

PT・OTなどの人数と勤務形態。

リハビリ室の面積。

必要な機器。

現在の患者数や実施単位数。

といった基本情報です。

そのうえで、

「PTを1人増やしたら、何が変わるのか」

を考えます。

予約枠を増やせるのか。

施設基準の変更を検討できるのか。

それとも、リハビリ室の広さが先に限界になるのか。

クリニックによって全く違います。

面積要件を満たせば十分、ではない

施設基準上、必要な機能訓練室の広さが確保できている。

それはもちろん重要です。

でも実際には、

歩行訓練をする患者さん。

杖を使う患者さん。

車椅子の患者さん。

同時に複数の療法士が動く状況。

こうしたことまで考えなければなりません。

基準上の面積を満たしていても、患者さんと職員がぶつかりそうな環境では安全とは言えません。

増員するなら、

「PTをもう1人入れたとき、誰がどこで何をするのか」

を実際の動線で見てみることが大切です。

本当の上限は「院長」かもしれない

そして、常勤医師1名体制で最も重要なのがここです。

PTを増やせば、リハビリの提供量は増えます。

でも医師は1人です。

新しい患者さんの適応を判断する。

症状が変わった患者さんを診る。

治療方針を見直す。

療法士から相談を受ける。

これらは増員に応じて増えていきます。

PTを2人、3人、4人と増やしていった結果、

「全部、院長の確認待ち」

になれば、リハビリ室ではなく院長がボトルネックです。

ですから、

「施設基準上、何人置けるか」ではなく、「医師1名でどこまで管理できるか」

も同時に考える必要があります。

上位区分を目指すことを目的にしない

「せっかくなら上位の施設基準を目指しましょう」

という考え方もあります。

もちろん、必要な患者さんがいて、体制を整えた結果として上位区分になることは良いことです。

でも順番は逆にしないでほしいのです。

地域に必要な患者さんがいる。

その患者さんを受け入れるにはこれだけの人員が必要。

人員を整える。

結果として施設基準の変更も検討できる。

この順番です。

施設基準のために人を採るのではなく、必要な医療を提供するために体制をつくる。

これが基本です。

次回は、

「PTを増やしたのに、院長が余計に忙しくなった」

という状態を避けるために、診察からリハビリ、再評価、終了までの流れを考えてみましょう。

第3回 医師1名でもどこまでできる?――施設基準と「本当のキャパシティ」を考えるの漫画

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文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング

作成日:2026年9月21日

本コラムの内容は、作成日時点の法令・通知・事務連絡等をもとにしています。その後の改正や疑義解釈、追加通知等により、取扱いが変更されている場合がありますので、最新情報もあわせてご確認ください。