こんにちは。村上佳子です。
前回は生活習慣病管理料についてお話ししました。
今回はもう一つ、内科系クリニックでは非常に重要な「特定疾患療養管理料」を見ていきます。
診療所の場合、特定疾患療養管理料は225点です。
厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者さんに対して、治療計画に基づいて必要な療養管理を行った場合に、月2回まで算定する仕組みです。
対象疾患には、たとえば甲状腺疾患、虚血性心疾患、不整脈、心不全、脳血管疾患など、内科の外来で継続して診ることの多い疾患が含まれています。
ここでも重要なのは、やはり「病名が付いているか」ではありません。
その疾患が主病なのか。
ここなんです。
たとえば心不全の病名がレセプトにあるからといって、それだけで自動的に特定疾患療養管理料の対象になるわけではありません。
その患者さんについて、心不全を主病として継続的な治療計画を立て、服薬、症状、生活上の注意などを含めた療養管理を行っているのか。
そこまで見て判断します。
逆に言えば、先生が実際にはそうした管理をしているのに、「薬を出して血圧を測っているだけ」という会計処理になっているのであれば、一度確認する価値があります。
令和8年度改定では、対象疾患についても一部見直しが行われています。
たとえば胃潰瘍・十二指腸潰瘍について、消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌となる非ステロイド性抗炎症薬を使用している場合には、特定疾患療養管理料の対象から除く整理が行われました。
つまり、以前から知っている病名表をそのまま使い続けるのではなく、改定のたびに対象疾患や要件を確認する必要があります。
さらに見ておきたいのが、特定疾患処方管理加算です。
現在は、対象疾患を主病とする患者さんへの一定の長期処方について、要件を満たせば56点の加算があります。
ここも、処方日数だけを見ればいいわけではありません。
「対象疾患なのか」「主病なのか」「処方内容は要件に合っているか」といった確認が必要です。
令和8年度改定では、特定疾患療養管理料などについて、患者の状態に応じて28日以上の長期投薬やリフィル処方箋に対応可能であることを院内に掲示することも施設基準に加えられています。
ですから、今回おすすめしたいチェック方法は、
「特定疾患療養管理料を何件取っているか」を見るだけではありません。
対象疾患を持つ定期患者を一度抽出して、「主病」「医学管理料」「処方日数」を横に並べてみることです。
そこで初めて、
「対象患者なのに管理料が付いていない」
「管理料は付いているけれど、主病の整理が曖昧」
「長期処方をしているけれど、処方管理加算との関係を確認していなかった」
ということが見えてきます。
診療報酬は、「病名から点数を探す仕事」ではありません。
患者さんに対して実際に何を管理しているのかを、診療報酬の言葉に置き換える仕事です。
この視点を持つだけで、算定漏れの見つけ方がかなり変わってきます。

