こんにちは。村上佳子です。
ここまで、患者さんの入口、継続受診、患者導線、診療報酬についてお話ししてきました。
でも、常勤医師1名体制の内科系クリニックでは、最後に必ずぶつかる問題があります。
それが、
院長先生の時間
です。
「これ以上患者さんが増えたら診られません」
というクリニックで、院長先生の仕事を見せていただくと、
「これは本当に医師がやらなければいけない仕事でしょうか?」
と思う業務が含まれていることがあります。
例えば、
患者さんの基本情報を最初から聞く。
過去の検査結果を探す。
紹介状を書くためにカルテを何年分もさかのぼる。
診断書の定型部分を入力する。
検査の注意事項を最初から最後まで説明する。
次回予約の日程を調整する。
こうした仕事まで院長先生が抱えていることがあります。
一つ一つは数分です。
でも、例えば1日50人診察する中で、1人当たり2分、医師でなくてもよい作業をしていたらどうでしょう。
合計すると100分です。
これは非常に大きな時間です。
そこで私は仕事を、
「医師にしかできない仕事」
「医師が最終確認すべき仕事」
「スタッフだけでできる仕事」
の3つに分けてみることをおすすめしています。
問診はWeb問診やスタッフによる事前確認ができるかもしれません。
定型的な説明は、スタッフや説明資料、動画などを活用できるかもしれません。
文書作成も、医師事務作業補助者やICTで下書きを作り、院長先生が最終確認する形にできる場合があります。
予約変更や会計にも、見直せる余地があるかもしれません。
ここで大切なのは、
院長先生をもっと働かせることではありません。
むしろ逆です。
院長先生にしかできない診察、判断、説明に、院長先生の時間を集中させる。
これも立派な増収・増患対策です。
診療時間を1時間延ばして患者さんを増やすのではなく、
今の診療時間の中から30分、診療に使える時間を生み出す。
そのほうが、ずっと持続可能です。
スタッフの役割分担。
予約システム。
Web問診。
音声入力。
生成AI。
活用できる手段はいろいろあります。
ただし、ICTを導入することそのものが目的ではありません。
見るべきなのは、
「院長先生の時間が本当に増えたか」
です。
常勤医師1名体制の内科系クリニックでは、この視点が経営を大きく左右します。

