皆さん、こんにちは。M&Cパートナーコンサルティングのパートナーコンサルタント、長幸美です。
今回は、髪型、メイク、ひげ、ネイル、香りなどについてお話しします。
この分野は、身だしなみの中でも特に判断が難しいところです。個人の好みや価値観が関係するため、「どこまでならよいのか」という意見が分かれやすいからです。
だからこそ、個人の好き嫌いではなく、医療安全、感染対策、業務のしやすさ、患者さんに与える印象という共通の基準で考えることが大切です。
髪型は「業務中に触らなくてよい状態」に
髪型で最も大切なのは、清潔感があり、業務の妨げにならないことです。
前髪が目にかかっていると、表情が患者さんに伝わりにくくなります。また、対応するたびに前髪をかき上げたり、髪を耳にかけたりする仕草は、患者さんに落ち着かない印象を与えます。
髪に何度も触れた手で、書類や物品、患者さんが使用する物に触れることを気にされる方もいらっしゃいます。
長い髪は、業務中に顔へかからないようにまとめましょう。髪をまとめる目的は、単に規則を守るためではありません。
顔を見せて相手に安心してもらうこと、髪に頻繁に触れずに業務を行うこと、安全かつ衛生的に仕事をすることが目的です。
髪の色についても、色だけを一律に問題とするのではなく、職種、業務内容、患者層、職場全体の方針を踏まえて、清潔感と信頼感を損なわない基準を共有することが重要です。
メイクは「目立たせる」より「整える」
医療機関でのメイクは、顔色を健康的に見せ、表情を伝えやすくする程度が基本です。
濃いアイメイクや鮮やかすぎる色は、患者さんによっては強い印象に感じられることがあります。一方で、「メイクは禁止」と一律に決める必要もありません。
大切なのは、職場にふさわしく、患者さんとのコミュニケーションを妨げないことです。
「どの色までよいか」を細かく決めるよりも、
「患者さんが表情を読み取りやすいか」
「医療機関の職員として自然に見えるか」
という目的を共有した方が、職員も納得しやすいと思います。
ひげは「本人の好み」だけで判断しない
ひげについては、きれいに整えているつもりでも、患者さんによって受け止め方が異なります。
無精ひげに見えたり、マスクからはみ出して乱れて見えたりすると、清潔感を損なうことがあります。職場の基準に沿って、剃る、または長さや形を適切に整えることが必要です。
ひげを認める職場であっても、「手入れされている状態」を具体的に共有しておきましょう。
ネイルや付け爪は安全面からも考えます
ネイルや付け爪は、好みやおしゃれだけの問題ではありません。
長い爪は、患者さんの皮膚を傷つける可能性があります。また、手洗いや手指衛生を十分に行いにくくなることもあります。ネイルが欠けたり、装飾が外れたりする可能性も考えなければなりません。
特に患者さんの身体に触れる職種、医療器具や薬剤、食品を扱う職種では、安全性と衛生面を優先する必要があります。
受付職員についても、書類を渡す手元は患者さんからよく見えます。爪の長さ、汚れ、装飾が職場にふさわしいかを確認しましょう。
アクセサリーも同様です。大きなピアスや揺れる飾り、長いネックレスなどは、引っかかりや接触の危険があります。結婚指輪などを含めて、職種ごとに安全性と感染対策を踏まえたルールを定めることが大切です。
香りは「よい香り」でも負担になることがあります
香水や柔軟剤の香りは、本人にとっては心地よいものかもしれません。
しかし、医療機関には、吐き気、頭痛、呼吸器症状、アレルギー症状などを抱えている方も来院します。妊娠中の方や、治療の影響でにおいに敏感になっている方もいらっしゃいます。
そのため、医療機関では「よい香りをつける」のではなく、「強い香りを持ち込まない」という考え方が基本です。
柔軟剤は香水ではないから大丈夫と思われがちですが、使用量や製品によっては香りが強く残ります。自分では毎日使っているため気づきにくいこともあります。
家族や同僚に確認してもらうなど、第三者の意見を聞いてみることも有効です。
口臭・体臭・たばこ臭への配慮
口臭や体臭については、本人に伝えにくい問題です。しかし、患者さんと近い距離で話す医療現場では、避けて通ることはできません。
歯磨き、舌のケア、食後のうがい、汗をかいた際の着替えなど、日常的な対策を心がけましょう。口臭や体臭が強く続く場合には、体調や病気が関係している可能性もあるため、単なる身だしなみの問題として責めるのではなく、本人の尊厳に配慮しながら対応することが必要です。
たばこ臭も、喫煙者本人が思う以上に衣服や髪、手指に残ります。
喫煙後すぐに患者さんへ対応すると、強いにおいを感じさせることがあります。職場の喫煙ルールだけでなく、患者対応前の手洗い、うがい、衣服への配慮なども考えましょう。
長さんのワンポイントアドバイス
髪型、メイク、香りなどは、自分では慣れてしまい、変化に気づきにくいものです。
定期的に同僚同士で確認できる仕組みをつくりましょう。
ただし、伝えるときは人格や好みを否定しないことが大切です。
「その髪型は変です」ではなく、
「患者さんへの対応中に髪へ触れる回数が多いので、まとめ方を工夫しませんか」
というように、業務上の理由を具体的に伝えましょう。
今日からできるチェック
□ 前髪が目にかからず、表情が見える
□ 業務中に髪を何度も触らなくてよい状態にしている
□ 爪の長さや装飾が安全・衛生上問題ない
□ 香水や柔軟剤の香りが強く残っていない
□ 口臭、体臭、たばこ臭への配慮をしている
次回は、受付での私語や勤務中のスマートフォンなど、「見た目以外の身だしなみ」についてお話しします。

