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医師事務作業補助体制加算は「人を置く加算」から「仕組みで支える加算」へ(第1回/全6回)

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みなさん、こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、医師事務作業補助体制加算とICT活用について、6回に分けてお話ししていきます。

医師事務作業補助体制加算というと、多くの医療機関では、まず「何対1で何人配置できているか」「届出区分を上げられるか」「人が足りるか」という話になりがちです。

もちろん、それは大切です。

ただ、令和8年度診療報酬改定で、この加算の見方は少し変わってきました。

これまでは、医師事務作業補助者をどれだけ配置できているか、という「人の配置」が中心でした。ところが今回の改定では、ICT機器等を活用して医師事務業務を効率化し、医師の負担を軽減している医療機関について、人員配置基準を柔軟化するという考え方が示されています。

つまり、これからは単に「人を置いています」だけではなく、
その人たちが、ICTを使って、医師の事務負担をどのように減らしているか
まで見られる時代に入ってきた、ということです。

ここで大事なのは、ICT活用を「加算のための道具」とだけ考えないことです。

生成AI、音声入力、RPA、患者向け説明動画。こういったツールを導入すること自体が目的ではありません。

本来の目的は、医師が本来の診療に集中できるようにすることです。

たとえば、退院時要約を書く。診断書を書く。紹介状を書く。検査結果を整理する。患者さんやご家族への説明文書を準備する。診療録に必要な内容を入力する。

これらは一つひとつを見ると事務的な作業ですが、積み重なると医師の時間を大きく奪います。

そして、そのしわ寄せは、診療後の残業、休日の書類作成、若手医師の負担感、文書作成の遅れとして出てきます。

だからこそ、医師事務作業補助者の役割は、これまで以上に重要になります。

ただし、ここで誤解してはいけないのは、
ICTが医師事務作業補助者の代わりになるわけではない
ということです。

むしろ逆です。

ICTを使いこなすことで、医師事務作業補助者の役割は、より高度になります。

単に「医師の横で入力する人」ではなく、
「医師の事務負担を減らすために、業務フローを整える人」
「文書作成の下準備をする人」
「ICTを使って、医師と現場の間をつなぐ人」
という位置づけになっていきます。

医療機関として考えるべきことは、次の3つです。

第一に、医師が本当に困っている事務作業は何か。

第二に、その作業は医師事務作業補助者に移せるのか。

第三に、ICTを使えば、その作業をもっと早く、正確に、標準化できるのか。

この順番で考えることが大切です。

先にシステムを入れてしまうと、現場ではこうなります。

「便利そうだから入れたけれど、誰も使っていない」
「一部の医師だけが使っていて、病院全体の効率化になっていない」
「医師事務作業補助者がどう関わればよいかわからない」
「結局、加算の説明資料としては弱い」

こうなると、もったいないですよね。

今回の改定は、医師事務作業補助体制加算を、単なる人員配置の加算から、医師の働き方改革を支える業務改善の加算として見直すきっかけになります。

特に中小病院では、医師事務作業補助者を十分に採用できない、定着しない、診療科ごとに業務量の差が大きい、という悩みがあります。

だからこそ、ICTをうまく使って、限られた人数で、より効果的に医師を支える仕組みを作る必要があります。

大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。

まずは、医師の事務作業を棚卸しする。
次に、医師事務作業補助者が担える業務を整理する。
そのうえで、生成AI、音声入力、RPA、説明動画などをどこに使うかを決める。

この順番で進めれば、加算対応だけでなく、現場の負担軽減にもつながります。

第2回では、まず基本に戻って、医師事務作業補助者に任せてよい業務、任せてはいけない業務を整理していきます。

ICT活用を考える前に、ここを間違えないことがとても大切です。

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